2005 Fiscal Year Annual Research Report
Zhu-Nakamura理論に基づく非断熱化学動力学の総合的研究
Project/Area Number |
15002011
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
中村 宏樹 分子科学研究所, 所長 (10010935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 俊法 理化学研究所, 化学動力学, 主任研究員 (10192618)
石田 俊正 京都大学, 福井謙一記念研究センター, 助教授 (50212890)
MIL'NIKOV Gennady 分子科学研究所, 理論分子科学研究系, 特別協力研究員 (00370130)
南部 伸孝 九州大学, 情報基盤センター, 助教授 (00249955)
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Keywords | Zhu-Nakamura理論 / 非断熱遷移 / 化学反応動力学 / レーザー制御 / 分子機能 / フォトクロミズム |
Research Abstract |
以下の成果を上げた: (1)化学反応動力学の研究 (i)凍結ガウス波束伝播に基づく半古典的手法を開発(論文発表済)。 (ii)トンネル効果を含めた一般的TSH法を開発(論文印刷中)。 (iii)O(^1D)HCl反応系の微分断面積や分岐比などを古典軌道法を用いて計算し実験と比較(論文執筆中)。 (iv)熱反応速度定数を直接評価する理論手法を開発(論文執筆中)。 (v)Marcus理論を越える電子移動の理論を構築中。 (2)レーザーによる化学動力学の制御 (i)波束の動きを制御する半古典的理論を開発(論文3報発表済、レビュー1報印刷中)。 (ii)2次チャープによる波束の高効率な電子励起を実現(論文発表済、レビュー1報印刷中)。 (iii)位相制御による原子の近接準位の励起に成功(実験と理論)(論文発表済)。 (iv)上記の(i)と(ii)を用いると広い範囲の化学動力学過程を制御できる。OHCl分子の光解離過程制御への応用を実行中。 (3)分子機能の発現と制御 非断熱遷移は分子が機能を発現するときに重要な役割を果たしている。また、上記(2)の手法を使えば機能の制御も可能となる。 (i)コラニュレン分子の一部を臭素で置き換えると、非断熱トンネル現象によって水素原子が炭素5員環を共鳴的に透過することを発見(論文発表済)。 (ii)フォトクロミズムの例であるcyclohexadiene/hexatrieneの電子状態計算と動力学計算を行い、機構を明確にすると共に、レーザーによりこの過程を制御しうることを示した(論文1報発表済、1報印刷中、1報執筆中)。 (4)トンネル理論の構築 今までに完成した我々独自の理論を蟻酸及びビニルラジカルに適用すると共に、振動励起状態への理論の拡張をも行なった(論文3報発表済)。
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Research Products
(29 results)
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[Journal Article] Selective transition to the closely-lying states Cs(7D_<3/2>) and Cs(7D_<5/2>) by femtosecond laser pulses2005
Author(s)
H.Yamada, K.Yokoyama, Y.Teranishi, A.Sugita, T.Shirai, M.Aoyama, Y.Akahane, N.Inoue, H.Ueda, K.Yamakawa, A.Yokoyama, M.Kawasaki, H.Nakamura
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Journal Title
Phys.Rev. A72
Pages: 063404-1-063404-5
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