2006 Fiscal Year Annual Research Report
接着装置に依存した新しい細胞行動制御シグナルの探索
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15002014
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
竹市 雅俊 独立行政法人理化学研究所, 高次構造形成研究グループ, グループディレクター (00025454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 みどり 独立行政法人理化学研究所, 高次構造形成研究グループ, 専門職研究員 (70314185)
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Keywords | カドヘリン / カテニン / Cdc42 / シナプス / アクチン / Tuba / NAWSP / NMDAレセプター |
Research Abstract |
以下の研究成果を得て、その多くを学術誌上で公表することができた。 (1)細胞間接着分子カドヘリンが、特定の細胞タイプの細胞間結合において、接着面の下方から上方に向け動くこと(カドヘリンフローと命名)を昨年度までに発見しているが、この現象が、細胞層の傷害に伴う細胞運動の昂進によって誘導されることを明らかにした。さらに、アクトミオシン骨格系がこの動きに重要な役割を果たしていることも分かった。 (2)Cdc42 RhoGEF Tubaが、細胞骨格分子Z01と結合することにより、細胞間接着の頂端部に局在して、ここでアクチン重合とカドヘリンの分布を制御して細胞の輪郭の形態に重要な影響を与えることを明らかにした。また、Tubaのこの作用は、NWASPによって担われていることが示唆された。 (3)カドヘリン結合因子の一つp120-cateninが、微少管の安定性を制御し、さらに、細胞運動の制御にも関わることを明らかにした。また、p120-cateninに結合する分子を探索し、新たなパートナーの同定に成功した。 (4)海馬神経細胞上のNMDAレセプターの活性化によって、β-カテニンのN末端がカルパインによって切断され、その結果、安定化すること、そして、これが核に入り、Tcfシグナル系を動かして遺伝子転写に関与することを明らかにした。また、その標的遺伝子としてFra-1を同定した。さらにこのシグナル系が、生体でも起きていることをマウスの行動実験の結果から示唆することができた。
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Research Products
(11 results)