2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経系における細胞個性の理解に向けての方法の開発とリソースの整備
Project/Area Number |
15011211
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯野 雄一 東京大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (40192471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國友 博文 東京大学, 遺伝子実験施設, 助手 (20302812)
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Keywords | C.エレガンス / ゲノミクス / マイクロアレイ / Gene Ontology / 細胞特異的遺伝子発現 / ポリ(A)結合蛋白質 / プロジェステロン受容体 / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
a)体の全細胞数が少なく個々の細胞がすべて同定されているモデル生物、線虫C.エレガンスを用い、全遺伝子発現パターンと細胞個性の連関を理解することを目指している。そのために、PABP(ポリA結合蛋白質)を利用して特定の細胞からmRNAを抽出する技術、poly(A)pull-down法を開発した。本研究では、この方法を用いてPABPを線虫の感覚神経に発現させ、これらの神経からmRNAを抽出し、cDNAマイクロアレイに適用することにより感覚神経特異的な遺伝子発現を解析した。コントロール細胞に比較して高い発現を示す遺伝子を順位付けし、これらの発現パターンをレポーターアッセイで調べたところ、発現の検出された15遺伝子のうち13遺伝子が感覚神経に発現していた。約30対の感覚神経のすべてに発現するもの、一部に発現するものなどさまざまな発現パターンを示す遺伝子が同定されていることがわかった。Gene Ontologyの情報と照らし合わせ、線虫の感覚神経特異的に発現する遺伝子の特徴を調べたところ、Gene Ontologyでアノテートされていないものが多いという特徴があることがわかった。 b)細胞特異的遺伝子発現のためのリソースとして、細胞特異的プロモーターの収集を行った。Gatewayシステムをもとにしたベクターシステムを構築し、線虫ゲノム由来のプロモーター断片をpENTRベクターに挿入したものを揃えることにより、簡便に個々の解析対象の遺伝子をそれぞれのプロモーターの制御下に置くことができるようになった。感覚神経、介在神経を中心とした、特定の少数の神経サブセットに発現するプロモーターを19種集め、pENTRベクターに挿入した。 c)細胞特異的、かつ誘導可能な遺伝子発現制御系を構築するため、改変プロジェステロン受容体とGAL4の融合蛋白質を試したが、期待される誘導が起こらなかった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hanazawa, Kawasaki, Kunitomo, Gengyo-Ando, Bennett, Mitani, Iino: "The Caenorhabditis elegans eukaryotic initiation factor 5A homologue.IFF-1, is required for germ cell proliferation, gametogenesis and localization of the P-granule component PGL-1"Mechanisms of Development. 121・3. 213-224 (2004)