2003 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母の減数分裂システム解明に向けたゲノム生物学的研究
Project/Area Number |
15013233
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野島 博 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30156195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥崎 大介 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (00346131)
薮田 紀一 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10343245)
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Keywords | 分裂酵母 / 減数分裂 / 間接蛍光抗体法 / 前胞子膜形成 / SPB / non-coding RNA / 核移行シグナル / Coiled-Coilドメイン |
Research Abstract |
我々は分裂酵母において減数分裂特異的に転写誘導されるmeu遺伝子群の網羅的単離を行い、それらの機能をゲノム生物学的視点から解析してきた。そのうちのひとつであるmeu14^+は減数分裂期特異的な転写因子であるMei4に依存して発現する。meu14^+を欠失した二倍体(meu14Δ)を減数分裂期に誘導すると、DNA合成期には異常が見られず、後に続く2回の核分裂のタイミングも野生株と比べて顕著な変化がない。しかし、meu14Δ株は正常な胞子を形成することができず胞子の生存率も低い。Meu14にはCoiled-Coilドメイン、2つの膜貫通領域そして核移行シグナル配列が存在し、Two-Hybrid解析からMeu14同士の結合が示唆されたことからMeu14は核あるいは核膜に存在する構造タンパク質複合体であることが考えられる。Meu14-GFP融合タンパク質を発現するmeu14^+-gfp株を作製し、間接蛍光抗体法による観察と生細胞の計時変化の観察を行った結果、Meu14-GFPは減数第2分裂(MII)期でのみ発現することがわかった。Meu14-GFPはMII前期に核内に蓄積し、それぞれの核を挟み込むような形で点状に出現する。MII中期に入ると2つの平行なリングを形成し、核を取り囲むように大きくなる。MII後期に入ると2つのリングは分裂した核の間に留まるように見られ、核の分裂距離が長くなるにつれてリングの直径も小さくなり前胞子膜形成以前の段階で点状となって、やがて消失する。また、meu14Δ株では前胞子膜形成の開始に必要なSPB(spindle pole body)の分離、核の形状と位置にも野生株を比べて異常が見られる。これらの結果から、Meu14は減数第2分裂期の核分裂と前胞子膜の形成に密接に関わると考えられる。ごの他、non-coding RNAをコードするomt1^+-3^+遺伝子群の機能解析も行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kakihara, Y., Nabeshima, K., Hirata, A., Nojima, H.: "Overlapping omt1^+ and omt2^+ genes are required for spore wall maturation in Schizosaccharomyces pombe."Genes to Cells. 8・6. 547-558 (2003)
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[Publications] Okuzaki, D., Watanabe, T., Tanaka, S., Nojiima.H.: "The Saccharomyces cerevisiae bud-neck proteins Kcc4 and Gin4 have distinct but partially-overlapping cellular functions."Genes Genet.Sys.. 78・2. 113-126 (2003)
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[Publications] Okuzaki, D., Satake, W., Hirata, A., Nojima, H.: "Fission Yeast meul4^+ is required for proper nuclear division and accurate formation of forespore membrane during meiosis II."j.Cell.Sci.. 116・13. 2721-2731 (2003)