2003 Fiscal Year Annual Research Report
特殊なDNA構造に結合する新規タンパク質の同定とその立体構造予測に関する研究
Project/Area Number |
15013261
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
胡桃坂 仁志 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (80300870)
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Keywords | 構造ゲノミクス / 生体分子立体構造解析及び予測 / フォールディング / 構造生物学 / ゲノムデータベース / X線結晶解析 / 構造活性相関 / 生体高分子 |
Research Abstract |
特殊なDNA構造を識別する新規DNA結合タンパク質のデータベースからの検索を行うためには、特殊なDNA構造に結合するタンパク質の立体構造情報が必要である。しかし、現時点で利用可能な特殊なDNAに結合するタンパク質の立体構造情報は非常に少ない。そこで、本研究では、特殊なDNAとして単鎖DNA構造、メチル化DNA構造、引き伸ばされたDNA構造、そして特殊なDNA配列などを選定し、これらのDNAと結合するタンパク質の立体構造を、DNA-タンパク質複合体として決定することをめざした。特殊DNA構造に結合するタンパク質として、大腸菌SeqAタンパク質(メチル化DNAに結合)、そして大腸菌もしくは好熱菌DnaA(複製開始点DNAに結合)を選び、それらの全長もしくはDNA結合ドメインを用いて、特殊なDNAとの複合体を形成し結晶化を行った。まず、大腸菌SeqAタンパク質、そして大腸菌および好熱菌DnaAタンパク質の全長もしくはDNA結合ドメインの大量発現系を作製し、これらのタンパク質の大量調製を行った。そして、これらのタンパク質およびDNA結合ドメインと認識する特殊なDNAとの複合体の結晶化を、ハンギングドロップ法により行ったところ、SeqA DNA合ドメイン-ヘミメチル化DNA複合体およびDnaA DNA結合ドメイン-oriDNA複合体の結晶化に成功した。得られた単結晶は、理化学研究所播磨研究所現有のSPring8放射光施設を使用して解析し、これらの複合体のX線回折データより、SeqA-ヘミメチル化DNA複合体およびDnaA-oriDNA複合体の立体構造を決定した。現在、得られた立体構造情報および特色を利用して、既存のデータベースから、新規の特殊なDNA構造に結合するタンパク質の検索を行い、同定することを試みている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Fujikawa, N., Kurumizaka, H.et al.: "Structural and biochemical analyses of hemimethylated DNA binding by the SeqA protein"Nucleic Acids Research. 32. 82-92 (2004)
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[Publications] Fujikawa, N., Kurumizaka, H., et al.: "Structural basis for replication origin recognition by the DnaA protein"Nucleic Acids Research. 31. 2077-2086 (2003)