2003 Fiscal Year Annual Research Report
糖タンパク質の構造グライコミクスを展開するためのデータベースの構築
Project/Area Number |
15014228
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 晃一 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20211849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 芳樹 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (90323451)
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Keywords | 糖タンパク質 / グライコミクス / 構造生物学 / NMR / 多次元HPLC法 / 糖鎖 / データベース / 質量分析 |
Research Abstract |
1.糖鎖構造決定を支援するデータベースの開発 糖タンパク質の構造生物学研究を行うためには、ポリペプチド鎖のアミノ酸配列に加えて、糖鎖の配列・結合様式を異性体の違いも含めて明らかにしておくことが必要である。我々は、この目的を実現するために、多次元HPLC法による糖鎖プロファイリング解析の一層の効率化をはかり、HPLCデータと質量分析データを統合したWEBアプリケーション"GALAXY"を開発してインターネット上での公開を開始した。 2.多次元HPLCデータの拡張 硫酸転移酵素およびフコース転移酵素の遺伝子を導入したLS12細胞株を用いて硫酸化糖鎖の大量発現を行い、その構造解析に着手した。本年度は当該細胞膜画分より得られた約20種類のアシアロ硫酸化糖鎖について質量分析法を駆使した構造解析を行い、それらの多次元HPLCデータを収集した。 3.安定同位体標識を利用した糖鎖の構造解析 In vitroにおける糖転移酵素反応を利用して分岐鎖の各非還元末端残基に選択的に安定同位体標識を施したピリジルアミノ化糖鎖のアイソトポマーを調製し、MS/MSスペクトルにおいて観測されるフラグメンテーションパターンを解析した。この方法を用いることによって糖鎖のフラグメントイオンを曖昧性なく同定することが可能となり、分岐構造を有する糖鎖のグリコシド結合における開裂のしやすさの違いなどを系統的に解析する基礎を築くことができた。
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[Publications] 山口芳樹, 加藤晃一: "レクチンによる糖鎖認識の構造生物学"生化学. (印刷中). (2004)
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[Publications] T.Mizushima et al.: "Structural basis of sugar-recognizing ubiquitin ligase"Nature Struct.Mol.Biol.. (印刷中). (2004)
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[Publications] N.Takahashi, K.Kato: "GALAXY (Glycoanalysis by the three axes of MS and chromatography) : a Web application that assists structural analyses of N-glycans"Trends Glycosci.Glycotech.. 15. 235-251 (2003)
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[Publications] 高橋禮子ら: "多次元HPLC法のグライコミクス解析への展開"蛋白質 核酸 酵素. 48. 1412-1418 (2003)
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[Publications] M.Nagaya et al.: "Two-dimensional high performance liquid chromatography mapping of sugar chains demonstrated the biantennary, complex N-glycan addition to the recombinant glycoprotein produced by baculovirus-infected Antheraea pernyi insect cells"J.Insect Biotech.Sericol.. 72. 79-86 (2003)
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[Publications] N.Takahashi et al.: "N-Glycan structures of squid rhodopsin : Existence of the α1-3 and α1-6 difucosylated innermost GlcNAc residue in a molluscan glycoprotein"Eur.J.Biochem. 270. 2627-2632 (2003)