2004 Fiscal Year Annual Research Report
モデル脳におけるコーディングとエルゴード性に関する数理的研究
Project/Area Number |
15016023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
合原 一幸 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40167218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 秀幸 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (60334257)
牧野 貴樹 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | ニューラルネットワーク / エルゴード性 / 発火率コーディング / スパイクコーディング / 同期 / 学習 / 再現性 |
Research Abstract |
脳内の機能は多数のニューロン群の協調と競合作用が生み出しているが、電気生理実験においては通常、同じ刺激を繰り返し提示して、少数の(通常は単一の)ニューロン活動の試行平均を計測して発火特性を調べる。このことに関連して、単一ニューロンの試行平均とニューロン群の単一入力に対する応答の集団平均とがどのような条件の下で等価になるかを考える、生理学的エルゴード性問題は重要な研究課題である。本研究では、時空間スパイクコーディングおよびスパイク統計のエルゴード性について数理モデルを用いた解析を行った。 前年度までのモデル脳を用いたDualコーディングやエルゴード性に関する研究をさらに進展させて、ニューラルネットワークモデルの非線形時空間ダイナミクスとノイズ、ネットワークアーキテクチャ、学習などとの関連を解析した。まずはじめに、複数の入力源から入力を受ける場合に、STDP(Spike Timing Dependent Plasticity)学習則とネットワークアーキテクチャ(フィードバック結合や入力結合相関)に基づいて、多様なポピュレーション発火率コーディングや同期コーディングの共存やクラスター形成が自己組織化的に実現され得ることを明らかにした。次に、メキシカンハット型結合を有する場合Synfire Chainモデルを拡張し、入力刺激の強度が興奮領域の大きさでコードされ得ること、孤立局在興奮と一様興奮の二つのノントリビアルな安定状態が存在すること、これらの共存相が存在することなどを示した。また、スモールワールドネットワーク構造と時空間ダイナミクスとの関係を調べた。さらに、同期発火に注目したエルゴード性とノイズとの関係や興奮性GABAと情報コーディングとの関係についての検討を行った。
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Research Products
(7 results)
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[Book] <1分子>生物学2004
Author(s)
合原一幸, 岡田康志 編
Total Pages
188
Publisher
岩波書店
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より