2003 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚感覚インターフェースデバイスの開発と皮膚感覚情報処理の解明
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15017224
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
篠田 裕之 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (40226147)
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Keywords | 皮膚感覚インタフェース / 触覚ディスプレイ / 触覚センサ / バーチャルリアリティ / ハプティックス / テレタクション / 超音波放射圧 / マルチプリミティブ |
Research Abstract |
皮膚感覚のインタフェースを開発し,皮膚感覚情報処理を解明する研究を行なっている.人間の皮膚と同じように感じることができるセンサとその感覚を忠実に再現できるデイスプレイの開発を軸として研究を進め,その過程で得られた知見に基づいて新しい情報技術の提案を行なう.本年度は特に皮膚の大面積に触感を提示する技術の開発を行なった. ここでは新しい着眼点として指先以外の皮膚の広い面積に触感を提示することを目指した.身体の部位ごとに受容器の密度や二点弁別閾は大きく異なっているにも関わらず,我々は同一の物体に関しては統一した触感を感じとっている.受容器密度が低い部位であっても,細かな対象の特徴を捉えることができる.そのような触感の正体を明らかにするためには,受容器密度が高い指先よりもむしろ受容器密度が低い部位に注目することが近道であると思われる.本研究では特に手掌部に注目し,そこに多様な触感を提示するために必要十分な刺激の基本セットについて調査した.その結果,表面の細かい構造を見分ける知覚が,皮膚表層の2種類の機械受容器の発火比率の検出によって行われていることを示唆する実験結果が得られた.さらにその場合に利用されているパラメータは2点弁別閾程度の径の領域における各受容器の発火量の総和のみであることも示唆された.この解釈が正しければ,それらの機械受容器を選択的に刺激可能な刺激素子を2点弁別閾程度の間隔で配置することによって,触感が提示できることになる. 本年度のもう一つの重要な発見は,小さな穴から皮膚を吸引すると棒状物体が押し込まれたような感覚が生じることである.この錯覚は,人間の触覚受容器が歪エネルギに対して感度をもち,応力の正負を見分けることができないためと考えられる.このことを利用すると皮膚を触覚ディスプレイの表面に拘束したまま接触刺激を与えることができるため,刺激点間の干渉のない安定な刺激が可能となる. 以上二つの発見を利用し,装着が容易な形態の皮膚感覚ディスプレイを提案・試作した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yasutoshi Makino: "Multi Primitive Tactile Display Based on Suction Pressure Control"Proc. IEEE Haptic Symposium 2004. (to appear in Mar.). (2004)
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[Publications] Yasutoshi Makino: "A Whole Palm Tactile Display Using Suction Pressure"Proc. IEEE Int.Conf.on Robotics & Automation. (to appear in May). (2004)
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[Publications] Hiroyuki Shinoda: "Two-Dimensional Signal Transmission Technology for Robotics"Proc. IEEE Int.Conf.on Robotics & Automation. 3207-3212 (2003)
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[Publications] Yasutoshi Makino: "A Cutaneous Feeling Display Using Suction Pressure"Proc. SICE 2003. 2096-2099 (2003)
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[Publications] 篠田裕之: "皮膚感覚インタフェースの現状と展望"第4回SICEシステムインテグレーション部門講演論文集. 412-413 (2003)
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[Publications] 牧野泰才: "吸引圧を用いるマルチプリミティブ触覚ディスプレイ"日本バーチャルリアリティ学会第7回大会論文集. 243-246 (2003)