2004 Fiscal Year Annual Research Report
現代科学の発見(原子論、相対論)を追体験する理科実験教材の研究
Project/Area Number |
15020201
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
岡崎 隆 北海道教育大学, 教育学部札幌校, 教授 (20160666)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 雅宣 北海道教育大学, 教育学部札幌校, 教授 (80002476)
高柳 滋 北海道教育大学, 教育学部札幌校, 教授 (50013529)
|
Keywords | ブラウン運動 / アボガドロ数 / 断熱蒸発 / 気化熱 / 減圧沸騰 / 磁力 |
Research Abstract |
原子・分子の実在性に決着をつけたペランの実験(ブラウン運動の計測)をデジタル測定・計測によって再現し、教材実験としてまとめた。液体の気化による温度低下の体験を、排気減圧による液体の温度低下観察・計測実験として構成し、物質の三態、温度の分子論的理解を促す教材とすることを試みた。自然界に存在する基本的な力、遠隔力に対する認識・理解を深めるため、磁気双極子(磁石)間力の規則性を示す磁力測定実験を教材化した。 「ブラウン運動の観察とアボガドロ数の導出」光学顕微鏡によりラテックス粒子(直径1μm)のブラウン運動を観察する。デジタルカメラ、計測ソフトを用いて沈降平衡状態の粒子数の深度分布を計測し、アボガドロ数を導出する。ラテックス粒子質量、溶液温度によって粒子数深度分布が異なることを観察する。ペランが行った歴史的な実験を教材実験として再現することにより原子・分子の実在性を認識し、分子運動論やアボガドロ数の意味を把握することができる。 「断熱蒸発による液体の温度低下の観察・計測」デシケーター、真空ポンプによって、液体の断熱蒸発による温度低下を観察する。液体は減圧沸騰を示した後、表面から凝固が始まる。全体が凝固した後再び温度低下が進行する様子が観察される。液体の温度、質量変化の進行をデジタル測定システムによって計測・表示し試料の状態変化を捉える。物質の三態、気化・昇華、温度概念などを、分子運動論によって理解する契機となる。 「電子天秤による磁気力の測定」永久磁石(棒磁石)の間に働く磁力の大きさを電子天秤によって測定する。磁石間の距離rが磁石の大きさに比べて十分大きいとき、磁力の大きさが1/r^4の規則性を示すこと、磁石の大きさや配置を変えた実験によってこの規則性の現れ方に違いがあることが確かめられる。自然界に存在する基本的な力(遠隔力)がもつ特徴・規則性を磁力測定によって確認できるという点で、「力」の概念把握をより本質的なものとすることができる。
|
Research Products
(1 results)