2004 Fiscal Year Annual Research Report
授業理解を支援する発展的Web質問回答システムの構築
Project/Area Number |
15020216
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
三浦 元喜 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助手 (00334053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國藤 進 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (50242566)
田中 二郎 筑波大学, システム情報工学研究科, 教授 (20251043)
志筑 文太郎 筑波大学, システム情報工学研究科, 講師 (20323280)
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Keywords | PDA / 教育の情報化 / コミュニケーション / デジタルペン / 紙とペン / 実世界指向 / 双方向授業 / 一般教室 |
Research Abstract |
平成16年度は,生徒が通常のノートやプリントなどの紙に対して行った筆跡をデジタルペンによってリアルタイムに取得し,サーバ側に送信するインタラクティブ授業支援システムAirTransNote(旧Snail system)について,高校の数学を対象として実験授業を行った.また,システムの改良として,筆跡の自動認識機能と,認識結果を表やグラフによって一覧表示する機能を追加した. (1)実験授業の実施 高校1年生の数学の授業(授業時間45分)にて実験授業を行った.プリントの問題を解かせた後,教師に生徒の筆記した解答を表示しながら解説を行ってもらった.アンケートによると,95%の生徒はこのシステムを使った授業について積極的に参加し,授業ならびにシステムを好意的に受けとめていた.しかし半分以上の生徒は筆記が提示されることに関して緊張や不安感を感じると述べている.この不安感を醸成するのは筆記がリアルタイムに送信・共有される機能に加えて,筆記用具がボールペンであり,消したり書き直したりできない点が強く影響していると考えられる.我々は教師がシステムの画面を通して生徒の解答を確認することを期待していたが,実際には直接机間巡視しながら生徒の様子を確認していた. (2)システムの改良 筆記情報を解析する機能を実装した.現在はチェックボックス等簡単な解析機能を実現している.この機能により,理解力を確認する小テストの採点やアンケートの自動集計を行うことが可能となり,教師が生徒の筆記を確認する際の手間が軽減される.また,PDAの画面にメッセージを表示したり,効果音を用いたりして生徒にフィードバックを行うことが可能となり,リアルタイム性・インタラクティブ性の高い授業を実施できるようになった. (3)まとめと今後の予定 Augmented Classroomの概念(情報技術による一般教室の拡張)を提唱し,デジタルペンを使用した紙への筆記を中心とする従来の授業との親和性が高いインタラクティブ授業支援システムを構築してきた.今後長期的な運用を行い教育効果について検討するとともに,インタラクティブ性・リアルタイム性を活かすカリキュラム作りを進める.また,高度な認識機能の追加,インタフェースの改善などを進めることにより,生徒と教師双方の負担を軽減するようシステムを改良していく予定である. なお,本研究において開発したシステムについては随時http://css.jaist.ac.jp/~miuramo/atn/にて公開している.
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