2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15020225
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長谷川 浩 金沢大学, 工学部, 助教授 (90253335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 輝弥 金沢大学, 工学部, 助手 (70345601)
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Keywords | 化学教育 / 化学分析 / 環境調査 / 比色計 / 観測器具 / 自作 / 電動度計 / 定量 |
Research Abstract |
平成15年度は、専門機器に準じる性能を備えた簡易観測器具と分析機器を開発した。本研究で作成した器具は、採水器、ろ過器、比色計、電導度計、吸引ポンプで、既に簡易型のものが報告されている透明度板、プランクトンネットと合わせると一通りの水質調査が可能になる。全ての器具は、簡単に手に入る材料から構成されており、それぞれ1,000円以内・30分-1時間で自作できるものを作成した。装置の原理はシンプルであることから中学生レベルでも改良が容易で、制作過程を通して教科書の知識が実際の製品に結びつく「ものづくり」を体験できる。ここでは、簡易比色計に関する成果を報告する。 比色計は、試料水に溶けている成分の色を信号として検知し、成分濃度を定量化する分析機器である。簡易型比色計では、発光ダイオードからの光を試料水の入ったセルに通し、硫化カドミウム素子で抵抗値として検出する。今回開発した簡易型比色計では光路を工夫することにより専門の分光光度計に匹敵する高い精度を達成できた(ブランク値の10回の繰り返し測定で、σ<1%)。簡易比色計を用いた各種成分の分析法として、環境水中に溶けている様々な成分を対象として、学校教育でも実施可能な分析法のプロトコルを作成した。現在、簡易型比色計と比色分析の手法を組み合わせて、更に多くの成分の定量法を確立することを試みている。これらは環境調査や化学教育への適用を主目的としているが、他分野においても成分分析に使用する教材になる。対象年齢については、生徒の発達段階に応じて使用法を工夫すれば、小学校高学年から高校までの教育で利用できる。例えば、高校においては比色計の制作と化学分析の理解が重要であるが、小学校では教員が作成した比色計を「色の濃さを測定する機械」として提供すると適当である。
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Research Products
(1 results)