2004 Fiscal Year Annual Research Report
高等学校化学を対象とするITS/Microworld統合型知的教育システムの構築
Project/Area Number |
15020230
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
伊東 幸宏 静岡大学, 情報学部, 教授 (20193526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 達裕 静岡大学, 情報学部, 助教授 (30234800)
伊藤 敏彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20313926)
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Keywords | 高校化学 / 教材知識ベース / 実用的教育システム / 知識表現 / オーサリング / 問題解決 / 知的教育システム |
Research Abstract |
(1)知識表現の再設計 実用規模の知識ベース構築にあたり、単に規模によるコスト増大にとどまらない問題が生じた。一般に、問題解決の場面や学習の進行につれ、同一対象についての知識でも一貫しない表現を持つことがある。例えば高校化学では化学現象を再現する際、分子・原子間の対応関係レベル(反応式レベル)で考えれば良い場合と、反応に直接関わらない物質も含め、実空間における化学反応レベルで考えるべき場合がある。このように場面毎に知識の使い分けを必要とする場合、知識表現や推論機構を完全に一定のアーキテクチャのもとで設計することは難しい。この問題に対処するために、本研究では(a)ひとつの概念に複数の属性値を与えたり、ひとつの概念を表す知識を複数持つことを許容する知識表現手法(b)問題に応じて、適切な知識を選択する問題解決エンジンを設計実装した。 (2)システムの再構築 昨年度まで、システム開発にはUNIX環境におけるTCL/TK言語を用いていた。しかし現場教師との交流などを通じて、教育現場への可搬性、高校における教育用計算機環境の現状との整合性、システム運用の容易さ、処理速度の面から、Webブラウザ上で稼動するJava環境による開発がより望ましいとの知見を得た。知識表現は基本的にはプログラミング言語に依存しないが、部分的に修正を要する部分もあり、見直しを行った。 (3)オーサリングツール設計のための基礎的検討 本システムの教材知識は第I層(化学の普遍的知識)、第II層(問題集)からなり、現場教師が第II層にオリジナルの問題を追加することが可能でなければならない。すなわち情報システムの専門知識を持たない現場教師でも比較的容易に問題集データを作成できるオーサリング環境が必要である。このオーサリング環境について基礎的検討を行い、既存問題の一部を改変して新しい問題を作成する機能を中心に機能設計を行った。 (2004)高等学校化学を対象とするITS/Microworld統合型知的教育システムの構築,情報処理教育研究集会講演論文集,pp.24-27.
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