Research Abstract |
本研究は,美術教育と乖離させた純粋デザイン造形(以下,ベーシックデザイン)教育の学際性と参加型表現(造形)学習であることに着目して,これを理数系科目の学習内容を応用できる対象と捉え,児童生徒の興味・関心を高めることを目標としている. 内容は,平成14年度の研究成果に基づく検討課題である1)理科系科目に関連性の高い実習課題の考案を主目的とし,継続した課題として,2)算数(幾何学)と関連性の高い実習課題の考案,3)課題作品の新しい画像処理計測方法の検討,4)統制群と比較するためのインタビュー内容の変更,5)体験授業の実施と指導方法の考案,6)ビデオ教材制作(DVD)のためのビデオ撮影,を行った.また,デザイン教育確立への影響の大きいウルム造形大学(現・ウルム大学(ドイツ,ウルム))で国際デザインフォーラムの参加を交えて,資料収集を行った. 具体的な考案内容・変更点は,a)全4課題の中の課題2は算数,課題4は理科との関連性を強化,b)課題3に基準値のグレースケールを用意,c)小学生の体格や作業負担の軽減を考慮し,制作用パネルをB3からB4へサイズを縮小,など.課題内容と体験授業の概要を以下に記す. 課題1-グレースケールの彩色と配置.課題2-幾何学的形態の作図と彩色.課題3-有彩色の明度弁別.課題4-自然形態と幾何学的形態の構成.体験授業(計5回.平成15年11月〜12月)は,希望した実験群11名,統制群11名(山口県宇部市立上宇部小学校5年生)を対象として実施した.土曜日午後から4時間使用して,講義及び課題の出題・説明(30分),制作時間(2時間30分),講評時間(30分),インタビュー時間(30分,1人約15分)とした. 現在,来年度に向けて,i)課題作品の定量的計測,ii)インタビュー結果の分析,iii)ビデオ教材の制作,iv)他の構成手法の評価に対する定量的計測方法の開発,v)海外視察先の調査など,に取り組んでいる.
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