2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15020251
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福田 正弘 長崎大学, 教育学部, 助教授 (60149929)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 一成 佐世保工業高等専門学校, 助教授 (00173724)
平岡 賢治 長崎大学, 教育学部, 助教授 (10315210)
|
Keywords | 社会科 / 数理 / 数理教育 / 社会認識 / 社会科教育 |
Research Abstract |
今年度は、小中高校の3校種の児童生徒を対象に授業開発を行い,実験授業を試みた。その内容は以下の通り。 1 小学校授業開発 これまでのアメリカの小学校との交流を基に、小学校5年社会科の単元(自動車工業)の学習で日米合同学習を試みた。この学習は、貿易摩擦問題の学習で、米国において日本車はどうなっているかという学習課題を挙げ、その解決法の一つとして相手校に身の回りの日本車について調査してもらうというものである。統計数字にはない臨場感(統計と実感の接合)、「多い・少ない」の評価を百分比で示す数理的感覚、数的表現の普遍性の認知などをねらいとした。 2 中学校授業開発 第3学年公民的分野で市場経済ゲームの開発・実験を行った。これは、市場経済下における企業行動と消費者行動をシミュレートするもので、生徒は、企業の立場では利益の極大化・費用の極小化・収入の極大化、消費者の立場では効用の極大化・出費の極小化を目指して意思決定する。現実感のない経済学習の打破、生産・消費の文脈での利益・効用極大化行動の合理的選択、意思決定における数理的手法の採用などをねらった。 3 高等学校授業開発 公民科授業(わが国の将来人口の推計、高校2年生対象)の開発・実験を行った。これは、将来人口の推計法を理解した上で、我が国の人口問題を考える学習である。生徒は、コンピュータを用いて、コーホート要因法による人口シミュレーションを実際に体験した。シミュレーション体験(モデルを当てはめ、実際に計算をすることによって将来の社会の姿を予測する体験)、情報処理過程の認識・自己制御、人口問題への確かな分析力の育成などをねらった。なお、GIS関連の授業開発については、今年度は基礎研究に留まっている。
|