2003 Fiscal Year Annual Research Report
科学のオーセンティックアセスメントを浸透させるデジタルポートフォリオ・ライブラリ
Project/Area Number |
15020252
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山口 悦司 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (00324898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟生 日出男 茨城大学, 人文学部, 講師 (20344830)
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Keywords | オーセンティックアセスメント / デジタルポートフォリオ / CSCL / コンセプトマップ / 概念地図 / 理科教育 / ワークショップ |
Research Abstract |
1.デジタルポートフォリオ作成システムの機能拡張 2002年度に開発したデジタルポートフォリオ作成システムについて,学校や家庭などで本システムを利用しているユーザーのニーズを反映し,現在の学校における学習環境との親和性を高めるための機能拡張を行った.ライブラリに蓄積するためのデジタルポートフォリオ作成がより効果的かつ容易になった. 2.オーセンティックアセスメントの浸透 (1)ワークショップ開催 システムを利用したオーセンティックアセスメントが体験できるワークショップを開催した.20名が参加し,模擬授業形式のオーセンティックアセスメントを体験した.また,普段の授業においてオーセンティックアセスメントを実施するという観点から,システムの有効性について議論した.オーセンティックアセスメントを参加者に浸透させ,本システムを利用する教師間,学校間連携のための基盤を整備することができた. (2)授業導入と小学校教師による利用報告 本システムを2つの公立小学校に導入し,普段の授業におけるオーセンティックアセスメント支援を試みた.1つの学校では第5学年の「てんびんとてこ」,もう1つでは第6学年「電流と電磁石」を実施した.日本科学教育学会の研究会でも小学校教師の協力を得て,システム利用効果を報告した.教師が自分の授業を他の教師に対して体験的に語るという機会を設定することで,オーセンティックアセスメント支援におけるシステムの有効性を実践的に提示できた. 3.ライブラリ構築システムのデザイン・開発 児童・生徒が作成したデジタルポートフォリオを遠隔地から閲覧可能な形で公開するためのライブラリ構築システムをデザインし,開発に着手した.このシステムには,2002年度のシステムで作成したデジタルポートフォリオをQuickTime Movieに変換できる機能が実装される.今年度は,β版が完成した.
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[Publications] 稲垣成哲: "デジタル・コンセプトマップ入門:再構成型コンセプトマップ作成ソフトウェア"日本科学教育学会第27回年会論文集. 479-480 (2003)
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[Publications] 出口明子: "再構成型コンセプトマップ作成ソフトウェア:ユーザーのニーズを反映した機能拡張"日本科学教育学会研究会研究報告. 18・3. 35-38 (2003)
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[Publications] 今原淳子: "再構成型コンセプトマップ作成ソフトウェアを活用した理科授業:小学校第5学年「てんびんとてこ」での実践"日本科学教育学会研究報告. 18・3. 39-42 (2003)
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[Publications] 榊原茂: "小学校第6学年「電流と電磁石」における学習者の思考過程の評価:再構成型コンセプトマップ作成ソフトウェアを利用して"日本科学教育学会研究会研究報告. 18・3. 43-46 (2003)
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[Publications] 山口悦司: "IT・新世紀型理数科教育への挑戦-確かな学力を育てる 先進的なIT利用の教授学習システム-(増本健監修,木村捨雄・東原義訓編著)"東洋館出版社(印刷中).