2004 Fiscal Year Annual Research Report
数学的思考から論理的思考への転移を導く教授プログラムの開発
Project/Area Number |
15020254
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岡本 真彦 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (40254445)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宮 真智子 鳴門教育大学, 学校教育実践センター, 教授 (90170828)
加藤 久恵 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助手 (00314518)
西森 章子 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (50294012)
高橋 哲也 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (20212011)
川添 充 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (10295735)
|
Keywords | 数学的思考 / 論理的思考 / 転移 |
Research Abstract |
本研究のこの2年間での最終的な目的は,数学教育で養われた数学的思考力から日常場面での論理的思考力への転移を導く教授プログラムを開発することである。転移とは,既に学習したことが新しい内容を学習するときに促進的に機能することを意味している。具体的には,1年目の目的として(1)数学教育での数学的思考が日常場面での論理的思考へ転移するメカニズム(心のはたらきに関する記述モデル)を解明すること,(2)数学的思考から論理的思考への転移を促す教授方略を解明すること,の2つがあり,2年目は,1年目の成果に基づいて(3)数学的思考力から論理的思考力への転移を導く教授プログラムを開発及び評価することが目的である。 本年度は,特に,目的(3)について主に検討した。 平成16年4月から,数学学習(一次関数)と総合的学習にまたがる教授プログラムを開発し,兵庫県内公立中学校2年生2クラスを対象に,授業が実施した。その結果,基礎的理解テスト得点と,科学的思考課題得点との間に有意な相関係数が得られ,数学学習内容に習熟していることと,科学的な問題解決時に思考できることとの関連が示された。加えて,科学的思考課題において,本教授プログラムを学習した実験群と学習していない統制群を比較したところ,解決過程において違いが見られた。具体的には,数学学習内容(一次関数)を適用して解決した生徒が,実験群には見られたが,統制群には見られなかった。以上から,数学学習内容に習熟する段階にくわえて,その有効性を実感する段階を設定することで,数学で学んだことを,数学以外の場面においても適用し思考できるようになることが示された。
|
Research Products
(3 results)