2003 Fiscal Year Annual Research Report
"科学を創る"学習コミュニティにおける学習促進方策に関する研究
Project/Area Number |
15020255
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
川本 佳代 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (10264938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 智之 広島市立大学, 助教授 (70264934)
新井 紀子 国立情報学研究所, 情報基礎研究系, 助教授 (40264931)
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Keywords | e-Learning / 学習コミュニティ / 論理力 / プレゼンテーション能力 / コミュニケーション能力 / データマイニング |
Research Abstract |
「e-教室」は、国立情報学研究所が遠隔教育システムとサーバ環境を提供し、大学等の研究者と教師を中心としたボランティアグループによって構成される「e-教室」運営委員会によって、平成14年6月に開校・運営されているインターネット上の学習コミュニティである。「e-教室」では、電子掲示板を利用したやりとりを通して、子どもたちが継続的に"科学を創る"経験することができる。本年度は,その学習を促進する方策の提案・実現とこれに関連する基礎研究を行った。 (1)システムの改良 基本システムの改良を行った。具体的には,(1)投稿記事のアーカイブ化、(2)投稿記事検索機能の付加、(3)学習状況出力機能の付加、(4)アンケート機能の付加等である。これらは学習や学習支援において有効であると同時に,(1)〜(3)は他の学習促進方策の研究用データの作成に,(4)は学習者の意向の把握や参加の奨励にも効果的である。 (2)スクーリングの実施 ネットワーク外では初めて対面して交流を深めた。アンケートによればスクーリングは好評で,これ以降より積極的に「e-教室」に参加する学習者も見られた。 (3)学習成果の明確化 開校初期と開校1年後のそれぞれ3ヶ月間の投稿記事の比較を行った。その結果、学習者はより長くかつ簡潔な文章を書くようになった。また、投稿記事の中で(1)質問をする、(2)主張の根拠を提示する、(3)解説を付加する、(4)図・画像を付加することが多くなった。これらは論理力、プレゼンテーション能力、コミュニケーション能力等が育成された結果であると判断する。 (4)発見的手法による投稿の分析 モデレーション方法の提案、学習成果の明確化のための基礎研究として、発見的手法を用いて掲示板に投稿された記事を分析した。特に、フォロー(返信)が着いた投稿の特性、e-教室の中核となる参加者の投稿の特性、学習者と学習支援者の投稿の特性の違い等を明確にした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 新井紀子: "「e-教室プロジェクト」:遠隔教育におけるデジタルコンテンツの有効活用"第40回情報科学技術研究集会予稿集. 123-127 (2003)
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[Publications] 川本佳代, 新井紀子: ""科学を創る"学習コミュニティの構築と学習保証における課題"科学教育学会年会論文集. 27. 101-104 (2003)
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[Publications] 古賀祐輔, 川本佳代, 橘敬八郎: "学習コミュニティにおける投稿の特性とフォローの付きやすさの関連性"電子情報通信学会関西支部学生会 第9回学生会研究発表講演会 演論文集. 82 (2003)
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[Publications] 新井紀子: "ネット上に学びの場を作る(岩波ブックレットNo.604)"岩波書店. (2003)