2003 Fiscal Year Annual Research Report
EVH1結合配列を持つSrcファミリーキナーゼ特異的新規ユビキチンリガーゼ
Project/Area Number |
15024214
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 善一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70238814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 毅 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50272555)
清水 孝雄 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80127092)
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Keywords | 脂質ラフト / Fc受容体 / Src family kinase / 微小管 / 細胞遊走 |
Research Abstract |
Src family tyrosine kinase(SFK)の新たな活性調節機構解明、運動および極性形成に重要なその細胞内再分布の機構解明を目的としてSFK SH2-SH3をbaitとする2-hybrid cloningを行いポリプロリン配列及びRING finger様を持つ新たな微小管会合分子(仮にPPRと呼ぶ)を単離した。同分子は細胞の遊走方向に配向する微小管上に存在し、しかも安定化アセチルチュブリンと今日局在することから、安定化微小管をマークする新規分子であること、あるいは微小管の方向性を持った安定化を促進する新規調節分子であることが強く示唆された。 脂質ラフトは細胞膜上の機能微小ドメインであり情報伝達の起点として注目されている。種々の受容体はリガンド結合時に脂質ラフトに会合するがその機構は不明である。申請者はFc受容体の脂質ラフトとの会合が、従来もっとも上流の情報伝達事象と考えられていたSrc family kinase動員のさらに上流事象である事を見いだし、脂質ラフトの空間的融合がSrc family kinaseの相互活性化をもたらす機構を提唱した。またマスト細胞の重要な活性化受容体であるc-Kitを介する細胞運動にSrc family kinaseが必須の役割をはたすことを見いだした。 さらにSLEに連関する抑制型Fc受容体FcγRIIB膜貫通部多型の機能解析を行い、同受容体が脂質ラフト移行の障害を呈しその免疫細胞活性化抑制機能が弱く、自己免疫発症の原因となりうることを示した。脂質ラフト移行に異常がある疾患連関受容体の報告はこれまでに無く、SLE発症の分子基盤、ならびに受容体の脂質ラフト移行のメカニズム解明に重要な知見と考えられる。
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