2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15024243
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
南 康博 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70229772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 成玄 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70335454)
大石 勲 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50314472)
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Keywords | 細胞周期 / DNA損傷 / シグナル伝達 / Chk2 キナーゼ / Wip1 ホスファターゼ / がん遺伝子産物 / がん抑制遺伝子産物 / 悪性リンパ腫 |
Research Abstract |
1.DNA損傷応答におけるがん抑制遺伝子産物Chk2キナーゼとがん遺伝子産物Wip1ホスファターゼの構造・機能連関解析:DNA損傷に伴いChk2キナーゼはATMキナーゼによりThr68がリン酸化され活性化される。本研究により、Chk2がWip1と会合すること、及びWip1はChk2のリン酸化Thr68を脱リン酸化することによりChk2を不活化することが明らかとなった。また、Chk2とWip1の会合には、Chk2のN末端側のSQ/TQドメイン及びWip1のN末端側ユニークドメイン、ならびにChk2のキナーゼ活性が必要であることが示された。 2.DNA損傷応答に伴う核内シグナル伝達機構解析:DNA損傷によりChk1キナーゼはATR(またはATM)によりSer317及びSer345がリン酸化され活性化されるが、Wip1はChk1のリン酸化Ser317及びSer345を脱リン酸化することによりChk1キナーゼを不活化し、DNA損傷応答シグナル伝達を負に制御することが明らかとなった。 3.がん抑制遺伝子産物Chk2,PMLとがん遺伝子産物Wip1の機能解析:Chk2、PMLは哺乳動物細胞に構成的に発現させるとアポトーシスを誘導することが明らかとなった。また、Wip1はChk2、PMLによるアポトーシスを阻害することが見出され、これらのDNA損傷応答シグナル伝達において機能するがん抑制遺伝子産物とがん遺伝子産物が桔抗的に作用することが示された。 4.悪性リンパ腫におけるChk2遺伝子の発現と放射線感受性との関連:ホジキンリンパ腫細胞株において、ヒストンアセチル化・メチル化及びDNAメチル化といったエピジェネティックな制御機構の異常の結果、Chk2遺伝子の発現が低下していること、及びChk2遺伝子の発現低下が悪性リンパ腫の放射線感受性の低下と相関することが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yoneda, O.: "Membrane bound form of fractalkine induces IFN-γ production by NK cells."Eur.J.Immunol.. 33巻・1号. 53-58 (2003)
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[Publications] Yoda, A.: "Expression and function of the Ror-family receptor tyrosine kinases during development : lessons from genetic analyses of the nematodes, mice, and"J.Receptor and Signal Transduction. 23巻・1号. 1-15 (2003)
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[Publications] Wu, D.: "Neuronal lineage-specific induction of phospholipase Cε in the developing mouse brain."Eor.J.Neurosci.. 17巻・8号. 1571-1580 (2003)
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[Publications] Oishi, I.: "The receptor tyrosine kinase Ror2 is involved in non-canonical Wnt5a/JNK signaling pathway."Genes to Cells. 8巻・7号. 645-654 (2003)
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[Publications] Matsuda, T.: "The receptor tyrosine kinase Ror2 associates with the MAGE-family protein Dlxin-1 and regulates its intracellular distribution."J.Biol.Chem.. 278巻・31号. 29057-29064 (2003)
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[Publications] Suzuki, K.: "Regulation of outgrowth and apoptosis for the terminal appendage, external genitalia, development by concerted functions of Bmp signaling."Development. 130巻・25号. 6209-6220 (2003)
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[Publications] Oishi, I.: "Genetically Engineered Mice."Iowa State University Press.(未定). (2004)