2003 Fiscal Year Annual Research Report
新たに発見された一次聴覚皮質機能構造の回路基盤と機能意義
Project/Area Number |
15029228
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宋 文杰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90216573)
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Keywords | audition / tonotopy / optical imaging / voltage-sensitive dye / real-time imaging / cortical structure / cortex / guinea pig |
Research Abstract |
言語などの複雑音は蝸牛において周波数分解され、空間的に表現されることが知られている。音声周波数の空間表現は大脳皮質一次聴覚野まで保存され、一次聴覚野では、一つの純音は一つの帯状の領域で表現され、この帯状の領域が等周波数帯と呼ばれる。純音が等周波数帯を活性化する理由に視床-皮質投射が考えられるが、皮質内在性の神経回路の関与も考えられる。本研究では、in vivo光計測法などを用い、モルモット一次聴覚野において、皮質内在性の神経回路が等周波数帯に対する寄与を調べた。 電位感受性色素RH-795を用いて、128チャネルのフォトダイオードアレーで光計測を行った。計測した領域は3mmx3mmで、モルモット一次聴覚野よりやや小さい領域である。一次聴覚野は純音に対する応答(トノトピー)で同定した。純音刺激に対し、活動がその周波数に対応する等周波数帯で見られたが、活動は等周波数帯全体に同時に出現するのではなく、その一ヶ所(多くの場合、背側)から始まって、約10msec弱で等周波数帯全体に広がった。皮質内在性の神経回路の関与を調べるため、等周波数帯の一ケ所を電気的に興奮させた。電気刺激の直接的な効果が空間的に限局されていたが(<250mm)、電気刺激による興奮が自律的に等周波数帯全体に伝播した。また、電気刺激による興奮と純音刺激による興奮は空間的に強い相関を示した。電気刺激による興奮の伝播速度が純音刺激によるものと比べて有意に遅かったので、電気刺激による興奮の伝播が皮質内在性神経回路による可能性が示唆される。これをテストするために、イボテン酸注入により、内側膝状体を破壊した動物を用いて同様な電気刺激実験を行った。その結果、皮質における電気刺激による興奮の伝播が影響されなかった。これらの結果は、モルモット一次聴覚野において皮質内在性神経回路が等周波数帯の形状を規定していることを示唆する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Inagaki Shinji: "Isolation of neural activity from respiratory and heartbeat noises for in vivo optical recordings using independent component analysis."Neurosci Lett. 352. 9-12 (2003)
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[Publications] Hattori Satoko: "Rundown of a transient potassium current is attributable to changes in channel voltage dependence"Synapse. 48. 57-65 (2003)
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[Publications] Hattori Satoko: "Quantitative relatuinship between Kv4.2 mRNA expression and A-type potassium current in rat striatal cholinergic interneurons during postnatal development"J Neurophysiol. 90. 175-183 (2003)
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[Publications] Saitoh Kazuya: "Nigral GABAergic inhibition upon cholinergic neurons in the rat pedunculopontine tegmental nucleus."Eur J Neuroscience. 18. 879-886 (2003)
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[Publications] Shin Ryong-Moon: "Dopamine D4 receptor-induced postsynaptic inhibition of GABAergic currents in mouse globus pallidus neurons."J Neuroscience. 23・37. 11662-11672 (2003)
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[Publications] Otsuka Takeshi: "Conductance-based model of the voltage-dependent generation of a plateau potential in subthalamic neurons."J Neurophysiol. (in press). (2004)