2003 Fiscal Year Annual Research Report
成熟脳における神経幹細胞の役割:イムノトキシン細胞標的法を用いたモデル脳による記憶・学習とストレスに対する影響
Project/Area Number |
15029248
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
西 真弓 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (40295639)
|
Keywords | 神経幹細胞 / 記憶・学習 / 海馬 / イムノトキシン / トランスジェニックマウス / ストレス / Adult neurogenesis / GFP |
Research Abstract |
近年成熟動物でも中枢神経組織に神経に分化しうる神経幹細胞の存在が示されてきたが、その機能は明確にはされていない。成熟した動物においてもそのような神経幹細胞から成熟し、分化したニューロンが神経回路網に組み込まれ、情報処理の役割を担うのであろうか?本研究ではそのような疑問に答えるために、新たな情報を記憶学習するときに神経幹細胞が必要であるかを検討して行く。この目的のためにネスチンのプロモーター/エンハンサーの構築を用いてIL-2R/GFPをトランスジェニックマウスに発現させ、IL-2R抗体にシュードモナス外毒素の一部を融合したimmunotoxinを脳内、主として脳室および海馬領域にstereotaxicにmicroinjectionすることにより神経幹細胞を時空間特異的に除去できるモデル動物実験系を確立することを試みる。そのようなトランスジェニックマウスを用い、神経幹細胞除去の後、各種の学習課題を遂行させ記憶・学習が阻害されるかを検討して行く。さらに除去のタイミングを変えることにより、記憶のどのフェーズに神経幹細胞が必要なのかも併せて検討して行く。これまでに作成したトランスジェニックマウス1ラインを解析したところ、rostral migratory streamに非常に弱いGFPの蛍光を認めたが、海馬歯状回領域にはGFPの蛍光を認めることはできなかった。今後、トランスジーンのコンストラクトに改良を加え、十分なGFPの蛍光が検出できるトランスジェニックマウス作成していく予定である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Tanaka M: "Nuclear import of glucocorticoid receptor in association with importin a and importin b : Analysis with real-time fluorescence imaging and fluorescence resonance energy transfer in living cells."Endocrinology. 144. 4070-4079 (2003)
-
[Publications] Sunaguchi M: "Real-time imaging of β2 adrenergic receptor in living cell."Brain Res. 984. 21-32 (2003)
-
[Publications] Ochiai I: "Imaging analysis of subcellular correlation of androgen receptor and estrogen receptor α in single living cells using GFP color variants"Mol Endocrinol. 18. 26-42 (2004)
-
[Publications] Kumar S: "Shuttling components of nuclear import machinery involved in nuclear translocation of steroid receptors exit nucleus via exportin-1/CRM-1 independent pathway"Biochem Bioph Res Co. (In Press)(発表予定).
-
[Publications] 西 真弓: "FRET-GFPを用いたFRETによるタンパク質-タンパク質相互作用の可視化"実験医学 高田邦昭編.共焦点顕微鏡でデータを出そう-標本製作と観察から発表まで. 120-126 (2003)
-
[Publications] 西 真弓: "LSM510METAを用いたEmission Fingerprinting法-マルチスペクトル共焦点レーザー顕微鏡がひらく多重蛍光観察"実験医学 高田邦昭編.共焦点顕微鏡でデータを出そう-標本製作と観察から発表まで. 182-186 (2003)