2003 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質微細局所神経回路のダブルブーケ細胞の構造と機能
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15029259
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
窪田 芳之 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (90192567)
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Keywords | シナプス / 局所神経回路 / カルレチニン / 3D / CRF / 神経終末 / 大脳皮質 / 棘突起 |
Research Abstract |
ラットの前頭皮質のスライスを作成し、ホールセル記録法でダブルブーケ(DB)細胞から電気的な特徴を記録解析し、バイオサイチンを注入した。固定後、ABC液で反応しDAB染色を施しエポンに包埋した。これらの細胞をNeurolucida解析システムに入力し神経終末間距離や分岐頻度等の形態的な特徴を光学顕微鏡で3次元的にとらえ数値化し、統計処理を行った。その結果、DB細胞は、分岐の頻度が高く、神経終末が粗に分布するという特徴を有する事を統計的に証明し、他の非錐体細胞と区別する事ができた。その後、軸索部分を電子顕微鏡で観察し、3次元再構築画像解析ソフトで前、後シナプス要素の3次元像を再構築し、その出力構造を解析した。カルレチニン(CR)を含有する事を免疫組織化学法で予め同定したDB細胞を3個、CRFを含有するDB細胞を1個解析した。その結果、CR陽性DB細胞のターゲットは、約1/3が興奮性終末が多く入力する非錐体細胞の樹状突起の幹であった。また、約1/3は棘突起が多く存在する錐体細胞と思われる樹状突起の幹であった。残りは、棘突起の頭部に入力していた。その棘突起には興奮性入力を認めたので、特定の入力信号を抑制することが示唆された。細胞体に対する入力は少数存在した。また、CRF陽性DB細胞のターゲットは、約1/4が興奮性終末が多く入力する非錐体細胞の樹状突起の幹であり、約1/2は棘突起、他入力共にほとんどない非錐体細胞と思われる樹状突起の幹であった。残りは、興奮性入力が一つある棘突起の頭部に入力していた。細胞体に対する入力は認めなかった。以上の様に、皮質には2種類のDB細胞が存在し、それぞれ異なるシナプス結合をしている事が証明できた。
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