2004 Fiscal Year Annual Research Report
リン脂質代謝酵素による神経突起リモデリング制御機構
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15029265
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
金保 安則 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 参事研究員 (00214437)
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Keywords | 脂質性シグナル分子 / リン脂質代謝酵素 / PIP2 / スパイン / 神経回路網 / PIP5Kβ / ARF6 / EFA6 |
Research Abstract |
興奮性シナプス後部の樹状突起には、スパインと呼ばれるアクチン細胞骨格に富んだ微小突起構造体が存在し、その形態は神経活動や記憶の細胞レベルでの現象と考えられる長期増強に伴って変化する。従って、スパイン形態変化はシナプス可塑性において重要であると推察されているが、スパイン形態制御の分子メカニズムは不明な点が多い。我々は、ホスファチジルイノシトール4-リン酸5-キナーゼ(PIP5K)は、その産物ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PIP_2)を介してアクチン細胞骨格の再構築を制御することから、本酵素がスパインの形態制御に関与する可能性を想定し、この点についての解析を行った。その結果、三種のPIP5Kアイソザイム(α、β、γ)のうち、PIP5Kβが海馬神経細胞の形成を負に制御していることを見いだした。また、PIP5Kβの上流で、その活性化因子である低分子量G蛋白質のARF6が機能していることも見いだした。そこで本年度は、ARF6→PIP5Kβのさらに上流シグナルについての解析を行い、以下の成果が得られた。 ARF6のグアニンヌクレオチド交換促進因子として、ARNOとEFA6が知られている。ARNOを海馬神経細胞に過剰発現させてもスパイン数の変化は認められなかったが、EFA6を過剰発現させるとスパイン数が顕著に減少し、ARF6とPIP5Kβと同様の効果が観察された。さらに、EFA6を過剰発現させると内在性ARF6が顕著に活性化されることが明らかとなった。 以上の結果から、EFA6→ARF6→PIP5Kβシグナル系はスパイン形成を負に制御していることが示唆される。
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Research Products
(8 results)