2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規機能配列選択法を用いたリボソームRNAの機能解析
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15030206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 勉 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (20292782)
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Keywords | リボソーム / リボソームRNA / タンパク合成 / 暗号解読 / 翻訳精度 |
Research Abstract |
SSER法は特定遺伝子の機能部位において、完全にランダムな配列から機能配列のみをin vivoで選択する方法で、研究代表者が考案した全く新しい機能配列解析法である。本研究ではSSER法を用い、リボソームRNA(rRNA)の機能解析を行うことを目的とした。特に23SrRNAのペプチド転移反応と16SrRNAのコドン解読能に焦点をあてる。リボソームRNAの機能部位を完全にランダマイズし、リボソームの機能に必須な配列のみを細胞内で選択することによりリボソームRNAの機能を解析する。また迅速な選択であるため、リボソームの本質的な機能には影響しないものの、活性が低いがために自然選択で排除されてきたような変異体を選択できる点が特徴でもある。したがって進化的な保存性からは見逃されていた真の機能的な保存性を知ることができ、rRNAの本質的な役割を抽出することができる。今年度は16SrRNA上の暗号解読中心(H18,H44)、翻訳精度スイッチ(H27)についてライブラリーを作成し、完全にランダムな配列からリボソームの各機能に必須な配列を選択することに成功した。天然型を含む様々な配列がコンセンサス配列として選択され、結晶構造や生化学的な実験から得られた知見と矛盾しない結果であった。進化的に高度に保存されている部位にバリアントが得られたことから、本手法による解析が機能配列のみを選択する目的に優れていることを再確認した。H18の高度に保存された内部ループの機能選択により、G530,C518,C519,A520,G529,A533の6残基が必須残基として同定された。これらはクラスターを形成しており、シウドノット構造はこの特徴的な構造を維持するために必要であると考えられる。 H44ではA1492,A1493以外にG1494,T1495,G1497,C1404,G1405,C1407などが必須残基として同定された。H27の翻訳精度スイッチの機能選択では、885型から888型への構造変化はリボソームの機能に必須ではないことが明らかとなった。しかし、885型を不安定化する変異を導入すると888型が選択されることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Soma, A., Ikeuchi, Y., Kanemasa, S., Kobayashi, K., Ogasawara, N., Ote, T., Kato, J., Watanabe, K., Sekine, Y., Suzuki, T.: "An RNA-modifying enzyme that governs both the codon and amino acid specificities of isoleucine tRNA."Mol Cell. 12. 689-698 (2003)
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[Publications] Nakai, Y., Umeda, N., Suzuki, T., Nakai, M., Hayashi, H., Watanabe, K., Kagamiyama, H.: "Yeast Nfs1p is involved in thio-modification of both mitochondrial and cytoplasmic tRNAs."J.Biol.Chem.. In press. (2004)
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[Publications] Hino, N., Suzuki.T..Yasukawa, T., Seio, K.; Watanabe, K., Ueda, T.: "The pathogenic A4269G mutation in human mitochondrial tRNAIle alters the T-stem structure and decreases the binding affinity of elongation factor Tu"Genes Cells. 9. 243-252 (2004)
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[Publications] Terasaki, M., Suzuki T., Hanada, T., Watanabe, K.: "Functional compatibility of elongation factors between mammalian mitochondrial and bacterial ribosomes : Characterization of GTPase activity and translation elongation by hybrid ribosomes bearing heterologousL7/12proteins"J.Mol.Biol. 336. 331-342 (2004)
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[Publications] Limongelli, A., Schaefer J., Jackson, S., Invernizzi, F., Kirino, Y., Suzuki.T., Reichmann, H., Zeviani, M.: "Variable penetrance of a familial progressive necrotizing encephalopathy due to a novel tRNAlle homoplasmic mutation in the mitochondrial genome"J.Med.Genet.. In press. (2004)
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[Publications] Kurata, S., Ohtsuki, T., Suzuki, T., Watanabe, K.: "Quick two-step RNA ligation employing periodate oxidation."Nucleic Acids Res.. 31. e145 (2003)
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[Publications] 鈴木 勉(監修): "特集「リボヌクレオーム:機能性RNAが活躍する転写後の世界」(細胞工学(9月号)Vol.22(No.9))"秀潤社. 936-938 (2003)