2003 Fiscal Year Annual Research Report
核内におけるイントロン分解とスプライシング因子のリサイクル機構の解明
Project/Area Number |
15030222
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片岡 直行 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (60346062)
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Keywords | RNAスプライシング / イントロン / エクソン / ラリアット構造 / 脱ブランチ反応 |
Research Abstract |
真核生物の核にコードされる遺伝子の多くは、イントロンと呼ばれる介在配列によって分断化されている。このことにより、核内で合成されたmRNA前駆体が細胞質において蛋白質合成の鋳型として機能するためには、イントロンを取り除き、エクソン同士を連結するRNAスプライシングが必須な過程となっている。ヒトではイントロンはmRNA前駆体の実に95%を占めている。スプライシングにより切り出されたイントロンは核内にとどまり、スプライシング因子が除去された後、分解されると考えられている。またイントロン上にはsnoRNAやmicroRNAなどのnon codingRNAがコードされており、イントロンの代謝は高等真核生物において重要だと考えられているが、ほとんど明らかにされていない。 本研究では核内でのイントロンの代謝とそれに伴うスプライシング因子のリサイクル機構を解明するため、イントロンの脱ブランチ反応を司る酵素、hDBR1に注目した。イントロンが分解される過程では、まずこの脱ブランチ反応が起こることが明らかになっている。そこで、イントロンには会合できるが、脱ブランチ活性を持たない変異体を作製することで、イントロン分解過程のRNA-蛋白質複合体が単離できると考え、まずこの酵素のドメイン解析を試みた。最初にこの蛋白質の細胞内局在を調べたところ、核内(核質)に存在することが明らかになった。さらに興味深いことに、核小体周辺部にも強いシグナルが見られた。またこの蛋白質の核移行シグナルはカルボキシル末端の26アミノ酸の領域に存在することが明らかになった。さらにアミノ末端側に存在する、蛋白質脱リン酸化酵素に相同性のある領域に突然変異を導入した変異体を複数作製した。これらの変異体も安定に培養細胞内で発現することが確認されたが、どの変異体も脱ブランチ活性を持たず、この部位が活性に重要であることが明らかになった。
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[Publications] 片岡直行: "疾病とRNA"わかる実験医学シリーズ・RNAがわかる. 92-100 (2003)
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[Publications] 片岡直行: "脊髄性筋萎縮症(SMA)の分子生物学"蛋白質核酸酵素・増刊「RNAの細胞生物学」. 48・4. 524-531 (2003)
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[Publications] Kataoka, N.: "A simple whole-cell lysate system for in vitro splicing reveals a stepwise-assembly of the exon-exon junction complex."Journal of Biglogical Chemistry. 279・8. 7009-7013 (2004)
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[Publications] Kawano, T.: "Ce-Y14 and MAG-1, components of the exon-exon junction complex, are required for embryogenesis and germline sexual switching in C.elegans"Mechanism of Development. 1211・1. 27-35 (2004)