2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経難病発症に関わる異常スプライシングの分子機構解明とその制御法開発
Project/Area Number |
15030233
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
今泉 和則 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (90332767)
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Keywords | スプライシング / 神経変性疾患 / SMN1 / タウ / プレセニリン / SRタンパク質 |
Research Abstract |
実験計画に従って、脊髄性筋萎縮症原因遺伝子SMN1のエクソン7と前頭側頭型痴呆症原因遺伝子タウのエクソン10の異常スプライシングに着目し、それぞれのスプライシング制御機構の解明を目指した。さらに孤発性アルツハイマー病脳で高頻度に発現するプレセニリン2のエクソン5が欠損したスプライシング変種の発現機序も解析した。 1.脊髄性筋萎縮症原因遺伝子SMNのエクソン7のスプライシング制御機構:SMN遺伝子のイントロン7上に24ntからなるシス配列を見出した。この部位はステムループ構造をとり、特定のタンパク質と結合することによって、エクソン7のスプライシングを正に制御することが明らかになった。実際にこのシス配列を欠損させるとエクソン7がスキップするスプライシングを起こすことを確認している。 2.前頭側頭型痴呆症原因遺伝子タウのエクソン10のスプライシング制御機構:タウエクソン10の5'側から12-45ntにスプライシングエンハンサー活性があること、その領域にSR関連タンパク質であるTra2β、SF2/ASF、SRp30cが直接的および間接的に結合し、エクソン10のスプライシングを制御することを明らかにした。 3.プレセニリン2のエクソン5が欠損したスプライシング変種の発現機序:エクソンの3'末端には核タンパク質HMGA1aが、5'側には未知の約30kDaタンパク質が直接結合し、異常スプライシングを起こすことを証明した。現在、その30kDaタンパク質の精製を試みている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Miyaso, H., Okumura, M., Kondo, S., Higashide, S., Miyajima, H., Imaizumi, K.: "An intronic splicing enhancer element in SMN pre-mRNA."Journal of Biological Chemistry. 278. 15825-15831 (2003)
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[Publications] Manabe, T., Katayama, T., Sato, N., Gomi, F., Hitomi, J., Yanagita, T., Kudo, T., Honda, A., Mori, Y., Matsuzaki, S., Imaizumi, K., Mayeda, A., Tohyama, M.: "Induced HMGA1a expression causes aberrant splicing of Presenilin-2 pre-mRNA in sporadic Alzheimer's disease."Cell Death and Differentiation. 10. 698-708 (2003)
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[Publications] Kondo, S., Yamamoto, N., Murakami, T., Okumura, M., Mayeda, A., Imaizumi, K.: "Tra2b, SF2/ASF, and SRp30c modulate the function of an exonic splicing enhancer in exon 10 of tau pre-mRNA."Genes to Cells. (In press). (2004)