2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経難病発症に関わる異常スプライシングの分子機構解明とその制御法開発
Project/Area Number |
15030233
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
今泉 和則 宮崎大学, 医学部, 教授 (90332767)
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Keywords | スプライシング / 神経変性疾患 / タウ / プレセニリン / SRタンパク質 / Bcl-xl |
Research Abstract |
実験計画に従って、前頭側頭型痴呆症原因遺伝子タウエクソン10の異常スプライシング制御機構の解明を目指した。さらに孤発性アルツハイマー病脳で高頻度に発現するプレセニリン2のエクソン5が欠損したスプライシング変種の発現機序、Bcl-xlの酸化ストレス時におけるスプライシング変化についても解析した。 1.前頭側頭型痴呆症原因遺伝子タウのエクソン10のスプライシング制御機構:タウ遺伝子のエクソン10の5'側から12-45ntにスプライシングエンハンサー活性があること、その領域にSR関連タンパク質であるTra2β、SF2/ASF、SRp30cが直接的および間接的に結合し、エクソン10のスプライシングを制御することを明らかにした。その研究成果を論文にした(Kondo et al., Genes to Cells, 2004)。 2.プレセニリン2のエクソン5が欠損したスプライシング変種の発現機序:エクソンの3'末端には核タンパク質HMGA1aが、5'側には未知の約30kDaタンパク質が直接結合し、異常スプライシングを起こすことを証明した。5'側のシス配列に結合する因子をRNA結合能を指標に動物細胞核抽出液から精製を試みている。 3.神経芽細胞SK-N-SH、HeLa細胞、293細胞に、過酸化水素H2O2もしくはNO供与体SIN-1を用いて酸化ストレスを与えた。Bcl-xの選択的スプライシング産物をRT-PCRにて検出し、アポトーシス抑制型であるBcl-xLとアポトーシス促進型であるBcl-xSの存在比を比較したところ、酸化ストレスによってBcl-xS型のmRNAが増加していた。これは酸化抑制剤であるa-トコフェロールによって抑制された。現在、このスプライシング制御に関わる因子の同定を試みている。
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[Journal Article] Identification of regulatory cis-acting elements for alternative splicing of presenilin-2 exon 5 under hypoxic stress conditions.2004
Author(s)
Higashide, S., Morikawa, K., Okumura, M., Kondo, S., Ogata, M., Murakami, T., Yamashita, A., Kanemoto, S., Manabe, T., Imaizumi.K.
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Journal Title
Journal of Neurochemistry 91
Pages: 1191-1198