2004 Fiscal Year Annual Research Report
茎のサイトカイニン生合成を制御するオーキシン作用の研究
Project/Area Number |
15031214
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 仁志 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20220014)
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Keywords | オーキシン / サイトカイニン / 頂芽優勢 / isopentenyltransferase |
Research Abstract |
頂芽が切除されたエンドウの茎で発現しているIPT2遺伝子をエンドウのゲノムライブラリーから単離した。PsIPT2は5'上流域2kbの中に、AuRE配列と完全に一致する配列は存在しなかったが、PS-IAA4/5、GH3、SAURのようなオーキシンで誘導される遺伝子のプロモーター領域に保存されているT/GGTCCCAT配列が、-93から-86に存在していた。これら配列を含む5'領域を用いてプロモーター/GUS融合遺伝子を構築し、シロイヌナズナに導入した。pPsIPT2::GUSを導入したシロイヌナズナを染色すると、子葉、ロゼット葉、主根、側根が染色されたが、根端は全く染色されない。このことは、pPsIPT2::GUSに関してはオーキシン含量が高いと考えられる組織での発現が抑制されていることを示唆している。この形質転換体の芽生えを0.1μM 2,4-Dを含む培地で3日間以上生育させると根のGUS染色は消失し、2,4-Dを含まない培地に戻すと再びGUS染色された。そこで、この形質転換体を10μMのIAAで処理し、GUS mRNAの変動を解析すると、エンドウ切片におけるPsIPT2 mRNAと同様に時間と共にGUS mRNAが減少していくことが明らかになった。このことは導入したPsIPT2プロモーターはオーキシンに応答して転写が抑制されることを意味している。しかし、先に指摘したT/GGTCCCAT配列を欠失させたプロモーターを用いた場合も、基本的な染色パターンは変化がなかった。このことはこの配列がオーキシン抑制のシス配列として機能していない可能性が高い。
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Research Products
(2 results)