2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15032203
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹島 浩 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70212024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東郷 暁 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40282123)
久米 秀明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50322714)
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Keywords | ミツグミン53 / カリウムチャネル / 心筋細胞 / 骨格筋細胞 / 細胞膜 / エンドソーム |
Research Abstract |
我々のグループにより分子同定されたミツグミン53(MG53)は、心筋と骨格筋に特異的に発現し、細胞表膜近傍に局在するタンパク質である。MG53の一次構造中には、Ring, B-box, Coilded-coilのドメインが存在し、新規のRBCCファミリーに属することが明らかにされた。RBCC分子群はユビキチンE3リガーゼとしての機能が構造上から推定されているものの、その実体はまったく不明である。MG53の生理機能を明らかにすることにより、RBCC分子群の共通の生理的役割を解明することが重要である。作製されたMG53欠損マウスでは、心臓機能が低下しており、電気生理学的解析から電位依存性カリウムチャネルの機能が極端に低下していることが、明らかになった。現在遂行中の実験において、MG53はある種の電位依存性カリウムチャネルの細胞膜とエンドソームとの間の移動を促進することが示されつつある。この小胞輸送にカリウムチャネルのユビキチン化が関与することも示唆される。 また、サルカルメニン(SAR)は骨格筋と心筋細胞に特異的に発現し、小胞体内に分布しCa2+結合タンパク質として機能するものと考えられている。SAR欠損マウスを解析し、その生理機能を明らかにする試みも行った。SAR欠損骨格筋において、弛緩時間の延長、小胞体のCa2+取り込み活性の低下、Ca2+ポンプ量の低下が観察された。SAR欠損心筋においては、収縮と弛緩時間の延長、Ca2+トランジェントの低下が観察された。また、心電図、心エコー、心カテーテルによる実験において、SAR欠損マウスの心機能の低下が示された。これらは、SARが筋細胞の小胞体Ca2+貯蔵量を規定する因子であり、Ca2+ポンプの安定性にも寄与しており、個体レベルにおいては特に心臓機能の向上に寄与していることを示している。
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Research Products
(2 results)