2003 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレスによるプレセニリン蛋白質の成熟制御機構の解明
Project/Area Number |
15032218
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中川 敏幸 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00271502)
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Keywords | 小胞体ストレス / プレセニリン / アルツハイマー病 / ガンマーセクレターゼ / ERAD / 蛋白質品質管理 |
Research Abstract |
【目的】 小胞体ストレスは虚血、蛋白の糖鎖結合障害、小胞体内カルシウム濃度低下などにより起る現象で、misfoldingを起こした蛋白を除くためにBiPなどの小胞体シャペロンの誘導、さらに、小胞体の機能破綻によりアポトーシスが誘導される。小胞体に存在し、アルツハイマー病の原因として重要なプレセニリンは、それ自身限定分解(N-末断片、C-末断片)後に両断片が複合体を形成し、活性型となる。そこで、ツニカマイシンをマウス腹腔内に投与後96時間の時点で、腎臓でのプレセニリン-1のプロセッシング(成熟)を検討した。明らかに小胞体ストレスが起こり(BiP蛋白の増加)、投与前にはごく少量であったプレセニリン-1の断片の増加を認めた。すなわち、本研究は、小胞体での蛋白質品質管理機構によるプレセニリン成熟の制御機構の解明を目的としている。 【研究実績】 1.培養細胞による小胞体ストレス後のプレセニリン-1の変化:ニューロブラストーマ(SH-SY5Y)細胞に小胞体ストレスを誘導するツニカマイシンを投与すると、プレセニリン-1のN末断片の増加を認めた。末梢組織(腎臓)のみならず神経細胞にも同様な機序によるプレセニリンの制御機構の存在が示唆された。 2.小胞体ストレスによるγ-セクレターゼ複合体蛋白質への影響をNicastrin、PEN-2およびAph-1の発現量の変化にて検討した。:ニューロブラストーマ(SH-SY5Y)細胞、マウス初代神経培養細胞、腎臓にて、小胞体ストレス後早期に、PEN-2の発現量の増加を認めた。 3.RNA干渉法による検討:小胞体からの蛋白質分解に関与するERAD構成蛋白質のHrdlのsiRNAレトロウイルスを樹立した。
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