2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15033206
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
手老 省三 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80111318)
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Keywords | 光触媒 / 色素増感二酸化チタン / 窒素ドープ二酸化チタン / 硫黄二酸化チタン / 可視光誘起電荷分離 / メカノケミカル |
Research Abstract |
可視光応答光触媒における光誘起電荷分離によって生成する活性種を明らかにすることを目的として、電子スピン共鳴(EPR)スペクトロスコピーによる研究を行った。 色素増感二酸化チタンナノ粒子(平均粒径20nm)系において観測された電子-ホールラジカルイオン対の時間分解EPRスペクトルのコンピュータ解析から、逆電子移動反応に構造選択性があることを明らかにした。 さらに、メカノケミカル法による窒素や硫黄ドープ二酸化チタンナノ粒子を作成し、可視光により生成する常磁性種の構造解析を行った。窒素ドープ二酸化チタンにおいては、同位体置換により窒素中心ラジカルであることを証明し、EPRパラメータからスピン密度を決定した。また、この光誘起ラジカル種は、室温から極低温までほとんどスペクトルの形状変化を示さないことから、運動の固定された種である。このラジカル種の暗中での応答性は表面吸着種に依存することが明らかとなった。大気存在下では、光照射を切ると減衰し、新たなラジカル種は出現しない。しかし、高真空脱気状態では、暗中で新たなラジカル種が出現する。この暗中で出現したラジカル種は、100K以上ではブロードニングを示し、分子運動の自由度が比較的高いことを示している。 硫黄ドープ二酸化チタンナノ粒子においても、異方性の大きな可視光誘起EPRスペクトルが観測され、スペクトル解析を行った。また、このラジカル種の暗中での応答性も表面吸着種に依存することが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)