2004 Fiscal Year Annual Research Report
複素インピーダンス解析に基づく色素増感太陽電池構成成分の評価方法の確立
Project/Area Number |
15033238
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江口 浩一 京都大学, 工学研究科, 教授 (00168775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 隆司 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40325486)
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Keywords | 色素増感太陽電池 / 複素インピーダンス / 参照極 / 電子移動過程 / 内部抵抗要因 / 作用極 / 対極 |
Research Abstract |
標準的な色素増感太陽電池のインピーダンス測定の結果、オーミックな抵抗成分R_0と界面電荷移動に起因する円弧成分ω_1〜ω_4の少なくとも5種類の抵抗成分が内部抵抗成分として存在することをこれまでに明らかにしている。このうちω_2は、作用極におけるTiO_2粒子間の電子移動に帰属されるが、一方で、対極のPt触媒活性により影響を受けることが明らかとなり、作用極および対極両方の成分を含むことが示唆された。まず、オープンセルに参照極を導入した三極式のセルを作製し、作用極および対極のインピーダンスを分離したところ、ω_2は対極のインピーダンスにもあらわれ、作用極におけるTiO_2粒子界面の電子移動に起因する成分だけでなく、対極の影響も受けることが判明した。しかしながら、オープンセルを用いると、電解質の厚みが大きく、実際の色素増感太陽電池のとの対応が十分でないため、サンドイッチ型セルに参照極の導入を試みた。参照極として、白金黒付きφ0.2mm白金線を使用し、スペーサーにより通常よりも電極間距離を若干大きくしたサンドイッチ型セルに導入して、作用極および対極のインピーダンスを分離した。ω_2は対極側のインピーダンススペクトルにも現れ、また対極のPt量を変化させることにより、その大きさが変化した。したがって、対極のω_2成分は、対極のPt/電解質界面における電子移動過程に帰属できるものと考えられる。この結果、作用極および対極のω_2に対する寄与を分離できるようになり、色素増感太陽電池の内部抵抗要因の詳細な解析が可能となった。
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