2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15033253
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 明 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (90222231)
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Keywords | 電極界面 / フェムトケミストリー / 紫外光励起超高速分光 / 時間分解光電子分光 / 過渡反射率測定 / 金単結晶電極 / 分光電気化学 / ナノ空間エネルギー移動 |
Research Abstract |
本研究は、紫外光励起過渡反射率測定、および、ダブルパルス励起過渡反射率測定に基づき、斬新かつ有用な光機能界面計測法「固液界面フェムト秒時間分解光電子分光法」に相当する計測手法を開発し、固液界面における光電子放出ダイナミクスを追跡する可能性の検証を目的としている。ここで紫外光とはモードロックチタンサファイヤレーザーの第2および第3高調波であり、固液界面は電位制御された金単結晶(111)面/電解質水溶液系である。既存のフェムト秒チタンサファイアレーザーを光源とする過渡反射測定装置の光学系を、高精度測定を実現するために新規導入した電気光学変調器を組み込んで、改良した。自作電気化学セルを組み合わせて、1)波長270nm励起でのフェムト秒過渡反射率測定、2)波長400nmでのダブルパルス励起によるフェムト秒過渡反射率測定の2つを検討した。特に本年度は、主に波長400nmでのダブルパルス励起での測定を行い、金(111)面-過塩素酸水溶液系で過渡反射率応答の電位依存測定結果を解析した。各パルスで単独励起した場合の和と2つのパルス光で同時励起する場合とに差が観測された。また、電極電位によってこの差の程度が異なることが確認できた。これらの実験結果は、固液界面で2光子励起による光電子放出が生じているとすると説明できる。固液界面フェムト秒時間分解光電子分光法の可能性を示唆する成果であり、次年度予定する励起波長依存測定により検証が可能であると考える。
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[Publications] 原田 明: "界面ナノ空間内の分子の動的挙動を観る超高感度・超高速分光"放射線化学. 75. 12-19 (2003)
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[Publications] 原田 明: "非発光フェムトケミストリーのための高感度・超高速分光技術"光技術コンタクト. 41・5. 279-287 (2003)
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[Publications] 原田 明: "極限に挑むナノ分析化学「ナノ空間のフェムト秒化学からヨクト分析化学へ」"化学工業. 54・6. 445-451 (2003)