2004 Fiscal Year Annual Research Report
金・銀ナノ構造の精密造形による表面プラズモンの局在化と高効率分子励起
Project/Area Number |
15033254
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 淳 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30136551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 毅 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20304751)
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Keywords | 金ナノ粒子 / 交互自己集合法 / 表面プラズモン / 光電変換素子 / 分子励起 |
Research Abstract |
金・銀ナノ粒子は表面プラズモンに基づく顕著な電場増強を示し、次世代光機能デバイスとしての応用が注目されている。本研究では、申請者らが開発した光固定方法、化学的組織化方法を駆使して、顕著な表面増強効果を発現するナノ構造体を創製した。さらに、表面分子の振動・電子励起を広波長域の表面プラズモンで誘発し、ラマン信号感度の飛躍的向上ならびに局在プラズモン共鳴を活用する光電変換変換効率の飛躍的向上を図った。具体的成果は以下の通りである。 (1)塩析法による金ナノ粒子堆積電極を作製した。金ナノ粒子のサイズ、添加する塩の種類を変えて生成する堆積構造を電子顕微鏡で観察し、ナノ構造を評価した。その結果、金ナノ粒子の融合の程度がHCl>NaClO_4>NaOHの順であることが明らかとなった。電気化学的特性については、NaClO_4の添加で生成した堆積電極が最も良好な応答を示すことが分かった。 (2)光電変換への応用 作製した電極に色素を自己集合法で吸着させ、光照射による光電流を観測した。色素修飾電極の吸収スペクトル、蛍光スペクトル、光電流アクションスペクトルを測定し、プラズモン電場による光電変換の増強が起こっていることをいくつかの系で明らかにした。 (3)塩析法による金ナノ粒子堆積構造と、液/液界面法により作製した単粒子膜フィルムについて、ローダミン6Gをキャストし、表面増強ラマン散乱(SPR)スペクトルを測定した。その結果SERSスペクトル強度が、粒子のサイズ、融合の程度、金ナノ粒子の形状に著しく依存することを明らかにした。粒子サイズが35nmと15nmで比較した場合、前者の方が1桁以上高感度であった。また、NaClO_4で堆積した場合で最も強い信号が認められた。
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Research Products
(7 results)