2004 Fiscal Year Annual Research Report
有機薄膜-電極界面の制御による高応答性光機能素子の開発
Project/Area Number |
15033268
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
森山 広思 東邦大学, 理学部, 教授 (10126188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 鐘震 東邦大学, 理学部, 訪問教授 (90135658)
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Keywords | 超薄膜 / ナノ材料 / 光物性 / 表面・界面物性 / 複合材料・物性 |
Research Abstract |
1)ポリピリジンルテニウム錯体およびフタロシアニン化合物によるナノ集積薄膜の作成とその機能 有機薄膜作製技術として、分子配列制御性に優れ、かつ稠密な有機薄膜の例として、自己組織化能で配列した分子の官能基どうしの反応によって強固な有機薄膜を段階的に積層し、構造制御性に優れたルテニウム金属錯体有機薄膜を作製した。ポリピリジンルテニウム金属錯体系では、ジルコン酸との交互積層浸漬法により緻密な薄膜生成を行い、実際に光伝導挙動が見いだされた。また、長鎖アルキル基で修飾したフタロシアニン化合物についても、Ti(IV)化合物を介して電極上に多層薄膜化が可能であり、薄膜積層数に特異的な光伝導挙動を予備的に観測した。 2)π電子系有機物を活物質とする有機薄膜の作製 ポルフィリンやフラーレンのような2、3次元系大環状π有機化合物あるいはオリゴチオフェンを、ITO電極界面上にイオウ原子を介して金コロイド層を分散被覆することによって、ナノメータサイズの金コロイドを含む新規な界面を作成することを目標に、標的分子の合成をおこなった。π電子系物質を拡張する目的で、カーボンナノチューブの高分散化およびラジカル反応による官能基化を行い、ニトロ化カーボンナノチューブが超臨界状態で高分子表面へ浸漬が起こり、ナノチューブ薄膜が形成される可能性を見いだした。 3)無機-有機ハイブリッド薄膜材料の合成 光学非線形材料特性が期待される新規含ホウ素酸化物Be_3BPO_7(BBP)の固体合成を行った。また、ニオブ陽極酸化皮膜に関して表面および断面分析を行い、陽極酸化皮膜成分の膜厚と印加電圧がほぼ比例関係にあり、各試料において酸化皮膜の成分(NbO, NbO_2,Nb_2O_5)および膜厚が異なるために、陽極酸化皮膜が多様な干渉色を示す。これら誘電体皮膜と有機π電子系物質との新規光機能界面の創製を目指す。
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Research Products
(3 results)