2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15035219
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
北島 正弘 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料研究所, ディレクター (00343830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石岡 邦江 独立行政法人 物質・材料研究機構, 材料研究所, 主幹研究員 (30343883)
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Keywords | 高密度レーザー場 / フォノン / 電子励起 / 電子・格子相互作用 / 超高速ダイナミクス |
Research Abstract |
<電子・格子の超高速ダイナミクス>fs光励起により発生したキャリア(電子・ホール)がいかにして結晶格子を動かし、また結晶格子がいかに電子に力を及ぼすかの起源を捉えんとして始められた。その結果、Si中の電子と結晶格子の間の量子干渉をフェムト秒の超高速時間領域で観測することに世界で初めて成功した。 測定はシリコンの直接遷移を励起できる近紫外領域の10fsパルス光を用いて、ポンプ-プローブ測定を行った。検出は電気光学検出により、格子波と電子波の位相の揃ったコヒーレントな応答成分のみを選択的に引き出すことができる。観測した信号は2つの部分よりなる。一つは50fsより長い時間で見られる周期的な振動成分であり、これはコヒーレントなSi結晶の格子振動によるものである。もう一つは50fsより短い時間に現れる電子系からの非周期的応答と、続く100fsまでに現れる電子系と格子系との間の量子干渉である。 この量子干渉は、連続ウェーブレット変換で得られた時間-周波数マップでさらに鮮明に見ることができた。時間ゼロ付近で縦方向に延びる成分の電子応答および、周波数15THz付近で横方向に延びる成分の格子振動が明瞭に分離できた。この周波数はよく知られたシリコンの光学フォノンに対応する。ここで注目すべきことは2つの成分が交差する点で信号がほぼ消失したことである。この点が、励起された電子が結晶格子に力を及ぼし、結晶格子を形成している原子が集団で一斉に揺り動かされる瞬間を表す。これが電子波と格子波の干渉を世界で初めて具体的にイメージ化したものであり、電子と格子の間のファノ干渉を超高速時間領域で直接的に捉えたものである。別の見方をすれば、電子と格子は別々の存在として振る舞うのではなく、強い相互作用により互いにまといつかれながら一体となって運動する様子(準粒子)が観察されたといえる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Hase, K.Ishioka, M.Kitajima, K.Ushida: "Ultrafast carrier and plasmon-phonon dynamics in ion-irradiated n-GaAs"Appl.Phys.Lett.. 82・21. 3668-3670 (2003)
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[Publications] M.Hase, M.Kitajima, A.M.Constantinescu, H.Petek: "The birth of quasipaarticles in Si observed in time-frequency space"Nature. 426. 51-54 (2003)
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[Publications] N.Fukata, Y.Yamamoto, K.Murakami, M.Hase, M.Kitajima: "In situ spectroscopic measurement of structural change in SiO_2 during femtosecond laser irradiation"Appl.Phys.Lett.. 83. 3495-3497 (2003)
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[Publications] M.Hase, M.Kitajima, S.Nakashima, K.Mizoguchi: "Forcibly driven coherent soft phonons in GeTe with intense THz-rate pump fields"Appl.Phys.Lett.. 83. 4921-4923 (2003)
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[Publications] M.Kitajima, K.Ishioka, M.Hase, K.Ushida: "Application of time-domain vibrational study on defects in ion-implanted materials"Nucl.Instrum.& Methods B. 206. 99-102 (2003)
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[Publications] 長谷宗明, 北島正弘: "コヒーレントフォノンの励起と制御:ポラリトニクスへの展開"O Plus E. 25・9. 1025-1099 (2003)