2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15036231
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石原 一彰 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40221759)
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Keywords | 環境技術 / 合成化学 / 触媒・化学プロセス / 有機工業化学 / 酸 / ビタミンE / 有機金属 / 錯体 |
Research Abstract |
現在、α-トコフェロールは1年間に2万5千トン消費され、その消費量は年々増えている。これは天然のα-トコフェロールだけでまかないきれる量ではなく、その効率的生産方法の確立が急務である。 今回、高位置選択的かつ効率的にα-トコフェロールを合成するための新規超強酸触媒の開発を目的に研究を行った。まず、我々が開発したブレンステッド超強酸ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタン、C_6F_5CHTf_2のブレンステッド酸性およびそのシリル誘導体のルイス酸性を評価した。Ghosezらの方法に従いカルボニル化合物に対する配位力の強さから相対的なルイス酸性度を比較した。その結果、[C_6F_5CTf_2]SiMe_3が最も強いルイス酸性を示すことが分かった。 次に、C_6F_5CHTf_2とそれらのシリル誘導体を触媒として用い、α-トコフェロールの合成を試みた。その結果、ブレンステッド酸よりもシリルルイス酸のほうが純度良くα-トコフェロールが得られ、[C_6F_5CTf_2]SiMe_3が最も良い純度を与えた。そこで、回収・再利用可能なポリスチレン担持型ブレンステッド酸触媒を用いてα-トコフェロールの合成を行った。その結果、シリルルイス酸、ブレンステッド酸ともに高収率、高純度で目的のα-トコフェロールが得られた。また、フルオラス超強酸触媒を用いてα-トコフェロールの合成を行った結果、目的のα-トコフェロールが高収率、高純度で得られた。さらに、このフルオラス触媒は非フッ素溶媒よりフッ素溶媒との親和性が高いという特徴があるので、反応終了後、生成物をアセチル化し、ペルフルオロシクロヘキサンを加え、撹拌した後、α-トコフェロールを含む有機相と触媒を含むフッ素相に分け触媒を回収することができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Aiko Hasegawa: "Trimethylsilyl pentafluorophenylbis(trifluoromethanesulfonyl)methide as a super Lewis acid catalyst for the condensation of trimethylhydroquinone with isophytol"Angew.Chem.Int.Ed.. 42. 5731-5733 (2003)
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[Publications] 石原一彰: "環境調和型触媒の高効率有機合成への応用"ファインケミカル. 32. 21-34 (2003)