2003 Fiscal Year Annual Research Report
ブレーザーからのサブTeV領域ガンマ線の観測とその放射メカニズムの研究
Project/Area Number |
15037207
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
西嶋 恭司 東海大学, 理学部, 教授 (40202238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫛田 淳子 東海大学, 理学部, 助手 (80366020)
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Keywords | ガンマ線 / 活動銀河 / EXO 0556.4-3838 / Mrk421 / チェレンコフ望遠鏡 / カンガルー / 国際情報交換 / オーストラリア |
Research Abstract |
1.CANGAROO-III 10メートル望遠鏡によるEXO 0556.4-3838の観測及び解析:オーストラリアのウーメラにあるCANGAROO-III 10メートル大気チェレンコフ望遠鏡2台を用いて、ブレーザーEXO 0556.4-3838(z=0.034)のステレオ観測を行った。ロングオン・オフモードで、T1についてはオン17.8時間、オフ15.3時間、T2についてはオン15.2時間、オフ10.9時間の観測にそれぞれ成功した。T2が完成して最初のステレオ観測のため、調整等に時間がかかり予定の観測時間を下回ってしまったが、目下、鋭意解析中である。 2.CANGAROO-III 10メートル望遠鏡によるMrk421のToO観測:RXTE-ASMのクイックルックにより、PKS2155-304、PKS2005-489、Cen A、Mrk421、Mrk501のX線による活動を毎日モニターした。このうち、Mrk421のX線フラックスレベルが激しく変動し、ときに平均を5σ以上上回った。南半球での観測可能期間は限られているが、2月にフラックスが上昇した際、3台の望遠鏡を使ったステレオモードで、それぞれオン約4時間、オフ約2時間のToO観測を行った。各望遠鏡の観測モードは、すべてロングオン・オフモードであった。このデータは、3月にキャリブレーション予定である。 3.可視光による活動銀河核のモニターシステムの開発:光学モニターのために、既存の光学望遠鏡に高感度CCDカメラとフィルターホイールを取り付け、linuxで、天体の自動導入、フィルターの自動交換、CCDカメラによる自動撮像のシステムを開発した。Mrk421を約1ヶ月に渡ってテスト観測した結果、自動導入の制度は平均0.032度で要求の範囲内に十分収まっており、また最大3倍にも及ぶフラックスの変動と,バンドによる変動パターンの違いが見られた。これらのことより実用性が確かめられたと言える。
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