2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15037212
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
関本 裕太郎 国立天文台, 電波研究部, 助教授 (70262152)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立松 健一 国立天文台, 電波研究部, 助教授 (40202171)
幸田 仁 国立天文台, 電波研究部, 日本学術振興会特別研究員(PD)
中井 直正 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (80192665)
中西 康一郎 国立天文台, 電波研究部, 上級研究員 (60399277)
|
Keywords | ブラックホール / サブミリ波受信機 / 超伝導受信機 / 渦巻銀河 |
Research Abstract |
我々は、銀河NGC4258などの巨大ブラックホールの周りの円盤、特に水メーザーの発生領域の温度・密度を明らかにすべくサブミリ波・ミリ波における観測的研究を推進した。波長0.4mmの800GHz帯サブミリ波受信機を開発した。この波長で選択的にトレースされる暖かい(温度〜100K程度)円盤ガス物質の質量を明らかにすべく南米チリのサブミリ波望遠鏡に搭載して観測をおこなった。メーザー源となるガスの物理状態(温度、密度、質量)を調べ、それら微視的物理状態からガス粘性による質量降着メカニズムに制限をつけ、降着円盤の進化を研究している。また、近傍銀河におけるサブミリ波水メーザーの探査をおこなった。サブミリ波水メーザーは、従来の22GHzメーザーに比べて高温領域つまり中心近傍で放射されると予想されており、見つかればブラックホールの質量の精度を高めることが可能となる。 サブミリ波受信機は、量子限界の数倍程度と世界最高レベルの性能達成のために改良をおこなった。そのために高効率な光学系や自重変形を抑えるセンターパイプ他、安定度を高めるために様々な工夫を凝らした。望遠鏡搭載時におけるビームの形やシステムの安定性を評価した。さらに490GHzにおける試験的な観測もおこない、巨大ブラックホールのメーザー円盤の温度・密度などの物理量を測定できる可能性を示すことに成功した。今後、メーザー源となるガスの物理状態(温度、密度質量)を調べ、それら微視的物理状態からガス粘性による質量降着メカニズムに制限をつけ、メーザー円盤の進化を研究する。
|
Research Products
(6 results)