2003 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域音波観測に基づく火山爆発に伴う空気振動の研究
Project/Area Number |
15038205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
綿田 辰吾 東京大学, 地震研究所, 助手 (30301112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 純 東京大学, 地震研究所, 助手 (40262084)
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Keywords | 火山 / 火山爆発 / 広帯域 / 音波 / 空気振動 |
Research Abstract |
活発に噴火活動を続けている諏訪瀬島火山火口付近に広帯域気圧計と低周波マイクロフォンを異なる地点に設置し、平成15年10月末から11月上旬までの連続広帯域圧力変動記録が取得できた。これら設置場所に併設されている広帯域地震計3成分記録と、諏訪瀬火山山麓既設低周波マイクロフォン記録と比較することで以下のことが分かった。1)低周波マイクロフォンに比べ広帯域気圧計は風ノイズ対策を施したため、雑音が低減している。2)噴火時の圧力変動は0.1-0.2秒で急激に圧力が増加し(観測された最大圧力増加量は12パスカル)0.2秒で低減したのち、圧力減の状態が約1秒継続する。3)その後10秒以上にわたり音波が継続して火口付近から放出されその圧力振動周波数は凡そ0.6Hzである。4)爆発以外に周波数0.8Hz、継続時間1分以上、時には30分に及ぶ特定の周期で振動が継続する現象が見られる。圧力変動の振幅や約0.2パスカルで、地動にはこの周期で振動する成分は大きくない。4)山頂と山麓の2箇所で爆発的圧力変動を計測し、その到達時間差(約7.2秒)をモニターすると、0.15秒程度、時間変動している。おそらく爆発的噴火場所が変化したか、気温の変化で音波の伝播経路がゆがんだためと思われる。5)爆発的噴火を頻繁に続けると、半日ほどで爆発圧力波形は急激に増圧から減圧に転ずるようになり圧力変動の時間変動幅が短くなる。6)観測される走時から、振動的圧力変動も、爆発的圧力変動もその源の位置は同じ場所にあると考えることができる。
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