2004 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞の増幅・維持の分子機構とその制御シグナル伝達分子
Project/Area Number |
15039208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 智 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10242116)
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Keywords | 造血幹細胞 / アダプター蛋白質 / シグナル伝達 / 骨髄移植 / 再生医療 / 遺伝子導入 / サイトカイン / サイトカイン受容体 |
Research Abstract |
1、造血幹細胞の増幅に関与するLnk依存性制御系の標的受容体及び標的遺伝子群の同定 Lnk欠損マウス骨髄では、CD34-cKit+Sca1+Lin-細胞、Hoechst染色によって識別されるSP細胞が著しく増加するとともに機能的な骨髄造血幹細胞の顕著な増加が生じていることを示した。一部の造血幹細胞においては細胞あたりの造血系再構築能も亢進していることを個々の造血幹細胞の競合的骨髄再構築能を個別に検討することにより明らかにした。 2、Lnkの機能阻害分子による造血幹細胞制御法の検討 Lnk依存性制御機構をコントロールすることで造血幹細胞の造血能を向上させ骨髄移植に伴うリスクの軽減を目指して、Lnk阻害分子を開発しその効果を骨髄移植モデルを用いて検証した。Lnkの各部位にアミノ酸置換変異や欠失変異を導入して作製した種々のLnk変異体をc-Kit依存性に増殖する細胞株に発現させた。Lnkによる増殖抑制にはSH2ドメインが必須であり、LnkSH2変異体はドミナントネガティブ(DN)変異体として機能することがわかった。SH2変異に加えてPHドメイン欠損とC末端領域欠損を組み合わせると、より効果的に野生型Lnkの機能を阻害することがわかった。得られたDN-Lnk変異体をレトロウィルスベクターによりマウス造血前駆細胞に感染導入した後、放射線照射したマウスへ移植した。DN-Lnk変異体導入細胞を移植した群では、コントロール細胞移植群に比しGFP陽性血球細胞の割合が明らかに増加しており、DN-Lnk変異体を導入した前駆細胞の造血能亢進が観察された。さらに、DN-Lnk変異体のプラスミドDNAによる一過性発現によっても造血前駆細胞の生着能が亢進することがわかった。
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Research Products
(6 results)