2004 Fiscal Year Annual Research Report
基底膜タンパク質・ラミニンのプロテオグリカン結合部位の解明
Project/Area Number |
15040201
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
野水 基義 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00311522)
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Keywords | ラミニン / シンデカン / 環状ペプチド / 基底膜 / ヘパリン / 細胞接着 |
Research Abstract |
基底膜の主要糖タンパク質であるラミニンは、糖鎖を介した様々な生物活性に関与している。本研究では、細胞膜貫通型プロテオグリカンの糖鎖と相互作用するラミニン機能部位の解析とその作用メカニズムの解明を目的に研究を行った。ラミニンα鎖に存在するGドメインは5つの連続するLGモジュール(LG1〜LG5)からなるが、以前の我々の研究からLG4モジュールが生物活性に重要な働きをしていることを明らかにしてきた。そこで、LG4モジュールに注目し、5種類のラミニンα鎖(α1〜α5)の相同部位由来の機能ペプチドの解析を行った。その結果、ラミニンα2鎖由来のペプチド(EF-2:DFGTVQLRNGFPFFSYDLG)とα4鎖由来のペプチド(EF-4:DFMTLFLAHGRLVFMFNVG)がシンデカンの糖鎖との相互作用を介して細胞接着活性を示すことがわかった。本年度は、α4鎖由来のペプチドEF-4を用いて、シンデカンの糖鎖との結合におけるペプチドの活性コンフォメーションを検討した。活性ペプチドEF-4がラミニン分子内のループ部位に位置することから、ループ構造をミミックした環状ペプチドを作成したところ、鎖状ペプチドに比べて飛躍的にヘパリン結合活性が増大することがわかった。また、この環状ペプチドは鎖状ペプチドに比べシンデカンを介した細胞接着活性を示すことがわかった。このことから、ラミニン分子内のループ構造が細胞接着に重要な役割を果たしていることがわかった。これらの結果は、Yokoyama, F. et al., Biochemistry,43:13590-13597,2004.に報告した。今後は、ラミニンのプロテオグリカンやジストログリカンに結合する新たな機能部位の同定と詳細な生物活性の解明を行い、糖鎖特異的に結合するペプチドの医薬分野への応用を目指していく予定である。
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Research Products
(4 results)