2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヘパラナーゼの局在化による機能調節:マクロファージ及び類縁細胞における役割
Project/Area Number |
15040206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東 伸昭 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (40302616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 元夫 ノバルティスファーマ株式会社研究本部, 主幹研究員
入村 達郎 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (80092146)
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Keywords | ヘパラナーゼ / ヘパラン硫酸 / マクロファージ / 単球 / モノクローナル抗体 / リポ多糖 / 基底膜 |
Research Abstract |
免疫系、特にマクロファージ系細胞における基底膜や細胞表面のヘパラン硫酸鎖分解の制御機構とその生物学的意義を解明するため、主要な内在性の分解酵素であるヘパラナーゼに着目して検討を行っている。骨髄腫細胞から分化したマクロファージ様細胞を用いて予備的に得られた結果を受け、(1)末梢血単球とその分化・活性化の過程におけるヘパラナーゼの発現制御、(2)病態モデル動物の解析を意図した抗マウスヘパラナーゼモノクローナル抗体の作製、の2点を検討した。 (1)について、均一な単球集団をMACSによって調製し、ヘパラナーゼの発現を免疫染色によって検討したところ、その発現は細胞によって不均一であり、高発現の細胞が一部観察された。単球内の亜集団についてはほとんど研究がなされていないが、ヘパラナーゼ高発現細胞は高浸潤能、基底膜からのサイトカイン遊離能を有する興味深い亜集団であることが予想されたため、ヘパラナーゼの発現と相関する表面マーカーを検索した。インテグリン、CD44など種々の接着分子との間には相関が認められなかったが、細胞表面のヘパラン硫酸の発現との間によい相関が見出された。ヘパラナーゼが単球におけるヘパラン硫酸の発現と代謝に関与することが示唆された。また、リポ多糖による単球の活性化に伴い、ヘパラナーゼのmRNAレベルの発現は上昇するが、細胞表面におけるヘパラナーゼ分子の発現は逆に低下することを見出した。活性化に伴い単球表面に発現するヘパラナーゼの局在が大きく変化するものと考えられた。 (2)については、バキュロウイルスの発現系を用い、活性を有する組換え型マウスヘパラナーゼを発現、上清に分泌する系を構築した。また小スケールでの精製法を確立した。この方法を用いてヘパラナーゼを大量調製し、モノクローナル抗体の作製を試みる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sasaki, Higashi et al.: "Cell Surface Localization of Heparanase on Macrophages Regulates Degradation of Extracellular Matrix Heparan Sulfate"J.Immunol.. 172・6. 3830-3835 (2004)
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[Publications] Takada, Fujioka et al.: "Human macrophage C-type lectin specific for galactose and N-acetylgalactosamine promotes filovirus entry"J.Virology. 78・6. 2943-2947 (2004)