2004 Fiscal Year Annual Research Report
ガレクチンファミリーによる初期発生制御と生体防御システム成立機構
Project/Area Number |
15040216
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
中村 隆範 香川大学, 医学部, 教授 (70183887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 望 香川大学, 医学部, 助手 (10145047)
東海林 博樹 香川大学, 医学部, 助手 (10263873)
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Keywords | ガレクチン / アフリカツメガエル / 発生 / galectin-3 / CGL / 糖鎖 |
Research Abstract |
ガレクチンファミリーはβ-ガラクトシド結合を持った糖鎖を特異的に認識する動物レクチンで、哺乳動物で14種の遺伝子が同定されているが、魚類、両生類、鳥類など他の脊椎動物や海綿、線虫、ショウジョウバエなど無脊椎動物にも広く存在している。我々は、ヒトgalectin-8,-9(タンデムリピート型)が、既知のケモカインとは異なる新しい顆粒球の遊走因子であることを見出し、感染・炎症などと密接に関連することを明らかにした。一方、アフリカツメガエルから12種の新規ツメガエル遺伝子を同定しその機能解析を進めている。 本研究では、ガレクチンファミリーの初期発生から器官形成の場における機能を中心に、ツメガエルガレクチン遺伝子、蛋白質の発現を網羅的に解析しながら糖鎖の役割を明らかにする。本年度は、哺乳類キメラ型galectin-3のツメガエルホモログであるxgalectinVIIaの標的候補分子、卵表層顆粒レクチン(CGL)と高い相同性を有する、新規CGL(CGL-2と命名)をクローニングした。さらにCGL、CGL-2をトリプシン消化して、xgalectinVIIaの認識領域糖ペプチドを精製(3箇所あるN-結合糖鎖結合部位のうち2箇所に相当)し、さらに認識しているN-結合型糖鎖の構造解析を実施した。その結果、哺乳類では見られないような電荷をもった糖鎖構造や哺乳類でも共通して見られるN-アセチルラクトサミン型N-グリカンが認識糖鎖であることが明らかとなった。また、CGLのN結合糖鎖結合部位には高マンノース型糖鎖も結合し、これらはxgalectinVIIaとは結合しないことも分かった。このように、初期発生におけるガレクチンと他のレクチンファミリーの糖鎖認識を介したクロストークの可能性が考えられた。ガレクチンの新規機能解明の端緒になると期待される。
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Research Products
(5 results)