2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15068217
|
Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
杉山 洋 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 企画調整部, 展示企画室長 (50150066)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 誠一 昭和女子大学, 人間文化学部, 助教授 (40327953)
|
Keywords | カンボディア / 東南アジア / 考古学 / 陶磁器 |
Research Abstract |
A.日本人町の調査 本年度は7月17日から24日に、ポニャールー第二次発掘調査を行った。今年度の調査はこれまで日本人町の推定地として何度か取り上げられてきたNO.1地点の教会跡地の東側に2カ所の調査区を設定した。東側の川に近い調査地では遺物の出土量も少なく、顕著な遺構も発見できなかった。教会の建物推定地に設定した調査区では、教会の床と思われる漆喰の層を検出し、この位置に教会が存在したことを確認できた。また漆喰床面を断ち割った下からは、ガラス瓶の破片が出土し、この教会が近代をさかのぼるものではないことが判明した。 表採遺物の調査 本年度発掘調査の終了後に、出土遺物の調査を行った。今回も昨年度におもにNO.5地点で表採された中国陶磁の写真撮影と実測調査を行った。 B.窯跡の調査 クメール陶器研究では、ソサイ窯跡の第3次調査を行った1月22日から2月3日まで行った。今回の調査で窯跡の大まかな規模と構造がはっきりした。窯跡は幅約2m、長さ約5mの規模で、これまで調査したタニ窯跡より規模が小さいことがわかった。遺物の採集もあわせて行い、来年度の調査報告書刊行に備えた。 C.国際シンポジウム 1.月30日から2月1日までの3日間、国際シンポジウム、Early Settlements in the Neohthic period and the production of Khmer Ceramicsを開催した。30日は基調講演としてSPAFA代表ピシット氏と、ビクトリアアルバート美術館のジョンガイ氏に講演をお願いした。31日は午前に新石器時代、午後にクメール陶器のシンポジウムを行った。2月1日には、シンポジウム参加者をソサイ窯跡の発掘現場に招待し、現地説明会を行った。今回のシンポジウムの実施によって、各国の研究者同士の情報交換が行われると共に、今後も引き続き、定期的にこのようなシンポジウムを開催することの必要性が浮かび上がった。
|