2007 Fiscal Year Annual Research Report
赤方偏移した分子・原子輝線のサブミリ波観測による銀河進化と星形成史の解明
Project/Area Number |
15071202
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 孝太郎 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 准教授 (80321587)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 利弘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (40202270)
祖父江 義明 鹿児島大学, 理学部, 教授 (10022667)
長谷川 哲夫 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (50134630)
関本 裕太郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 准教授 (70262152)
|
Keywords | サブミリ波 / 準テラヘルツ / 銀河形成 / 星間物質 / 超伝導受信機 / 高赤方偏移銀河 |
Research Abstract |
研究最終年次となるH19年度には、これまで進めてきた比較的距離の近い銀河でのサブミリ波観測に加え、本格的な高赤方偏移天体の観測にも着手できた。その結果、合計1平方度に達するような天域でのサブミリ波掃天観測が実施され、合計400個を超えるような、新たな高赤方偏移天体を発見することに成功した。これは、過去10年間に行われてきた高赤方偏移サブミリ波天体の観測研究を、わずか約3ケ月の観測運用で質・量ともに圧倒的に凌駕するものである。既に蓄積されている他の波長帯での深い撮像データ、すなわち、すばる望遠鏡による可視光・赤外線帯の深撮像データ、輝線天体のデータ、また、あかり衛星における遠赤外線帯深撮像データなどとの比較を進めているが、発見された天体の多くは確かに高赤方偏移であり、従来知られていなかった爆発的星形成銀河が初期宇宙に莫大に存在していることを示すことができた。これら発見された天体の距離の不定性はあるが、高赤方偏移宇宙における星形成率密度に重要な制限(下限値)を与えることになると考えられる。 この他、サブミリ波350GHz帯サイドバンド分離型受信機CATS345の開発・搭載に成功、SSBシステム雑音温度200K代という極めて良好な観測性能を達成したほか、準テラヘルツ帯800GHz帯で動作する新しい超伝導デバイス(窒化ニオブや窒化ニオブチタン)の開発成功、それを用いた800GHz帯2偏波同時受信機AEROの開発が進むなど、準テラヘルツ帯の本格的な観測を大きく発展させる成果を得たと考えている。
|
Research Products
(15 results)