2005 Fiscal Year Annual Research Report
強い混成効効を示す充填スクッテルダイト化合物の純良単結晶育成と物性評価
Project/Area Number |
15072206
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐藤 英行 首都大学東京, 理学研究科, 教授 (80106608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 恒あき 首都大学東京, 理学研究科, 教授 (00106600)
神木 正史 首都大学東京, 理学研究科, 客員教授 (30004451)
石井 廣義 首都大学東京, 理学研究科, 助教授 (90128562)
青木 勇二 首都大学東京, 理学研究科, 准教授 (20231772)
桑原 慶太郎 首都大学東京, 理学研究科, 助手 (90315747)
菅原 仁 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (60264587)
岩佐 和晃 東北大学, 理学研究科, 助教授 (00275009)
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Keywords | 充填スクッテルダイト / 重い電子系 / 多重極秩序 / ラトリング / 新奇超伝導 / 磁場誘起秩序 / 強相関電子系 / c-f混成効果 |
Research Abstract |
本研究班の責務として、充填スクッテルダイト純良単結晶のフラックス法による育成を行い、領域内外・国内外の多岐にわたる測定手法を持つ50以上の研究グループに供給し、共同研究を進めた。同時に、通常フラックス法では育成が困難な構成要素について、高圧合成による結晶育成と純良化を進めた。 以下に、本研究班が主体となって進めた実験結果の主要な例について報告する。 1.SmOs_4Sb_<12>単結晶の育成に初めて成功し、Sm系化合物としては最も重い電子系であること、しかもその電子質量は磁場に非常に鈍感であることを見出した。これは、質量増強の機構がこれまでのf電子系とは全く異なることを示唆しており、機構解明のため多くの研究者との共同研究が進められている 2.PrOs_4Sb_<12>のフラックスフロー抵抗の磁場依存性測定を行い二段の極小を見出した。これまでの超伝導体で報告されている、磁化のピーク効果と関連した一段の極小とは異なり、この物質の特殊性を反映している。 3.PrFe_4P_<12>、PrRu_4P_<12>のフェルミ面は波数ベクトル[100]のネスティング条件を満たしており、温度低下に伴い、異なった特性の金属-非金属(半金属)を示す。二つの相の相関を調べるためPr(Fe_xRu_<1-x>)_4P_<12>を育成して物性測定を行なった結果、両相とも微少な置換により急激に抑制されることを明らかにした。 4.PrFe_4Sb_<12>は、PrOs_4Sb_<12>、PrFe_4P_<12>という二つの典型物質の振舞いの理解を進める上で重要な物質である。高圧合成法によりPrイオンの充填率が実験誤差内で100%の結晶育成に初めて成功し、これまでの不完全充填試料(フェリ磁性的基底状態)とは異なり、常磁性基底状態を持ち、物性への3dバンドの影響が大きいことを確かめた。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Role of p-f Hybridization in the Metal-Nonmetal Transition of PrRu_4P_<12>2005
Author(s)
K.Iwasa, L.Hao, T.Hasegawa, T.Takagi, K.Horiuchi, Y.Mori, Y.Murakami, K.Kuwahara, M.Kohgi, H.Sugawara, S.R.Saha, Y.Aoki, H.Sato
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Journal Title
J.Phys.Soc.Jpn 74
Pages: 1930-1933
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[Journal Article] Direct Observation of Quadrupolar Excitons in the Heavy-Fermion Superconductor PrOs_4Sb_<12>2005
Author(s)
K.Kuwahara, K.Iwasa, M.Kohgi, K.Kaneko, N.Metoki, S.Raymond, M.-A.Measson, J.Flouquet, H.Sugawara, Y.Aoki, H.Sato
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Journal Title
Phys.Rev.Let. 95
Pages: 107003(4)
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