2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15073202
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
泉岡 明 茨城大学, 理学部, 教授 (90193367)
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Keywords | スピン分極ドナー / 金属ナノ粒子 / 金属ナノロッド / 複合材料・物性 / 走査プローブ顕微鏡 / ナノ材料 / 半導体物性 |
Research Abstract |
金属ナノ粒子やナノロッドに種々のスピン分極ドナーを化学吸着させ、金属の伝導電子と有機ラジカル上にある局在電子スピンが相関する有機・無機複合磁性体の開発研究はナノ領域ならではの新規物性を発現が期待できる点で非常に興味深い。本研究は種々の魔法数個からなる金属ナノ粒子のサイズ選択的合成法及び分離精製法を確立し、スピン分極ドナーを吸着させた単分散ナノ粒子を導電性有機分子で結び付けることにより磁性金属ナノ粒子構造体を構築することを目的とする。 ナノ粒子は粒径によりそれぞれ異なる電子状態を有する。そのため我々はこれまでに、2nm以下、3nm、4nm、及び8〜9nmのサイズ領域の金ナノ粒子についてそれぞれ粒径分布幅の狭いサイズ選択的調製法の開発を行った。これらの開発には分子設計された配位子を用いる調製、酸化剤を用いた調製、pH制御下における調製、加熱成長による調製について検討した。報告されている一般の金ナノ粒子の調製法では統計分布に従うため通常平均粒径の数十%の規格化分散をもつが、上記各サイズ領域において10%前後の規格化分散にまで粒径分布幅を狭めることに成功した。 また、テトラオクチルアンモニウムプロミド(TOAB)が修飾した金ナノ粒子(TOAB@Au)は様々な機能性有機配位子と容易に交換することができる。しかし、これまで報告されているTOAB@Auは4nm程度の粒径を有し、分布幅も非常に大きい。我々は還元条件を0℃としてTOAB@Auを調製した結果、1.5nm前後のナノ粒子が得られ、これらは長時間安定に存在するという知見を得た。
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