2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15073202
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
泉岡 明 Ibaraki University, 理学部, 教授 (90193367)
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Keywords | スピン分極ドナー / 金属ナノ粒子 / ナノロッド / 有機・無機複合材料 / ナノ材料 / ESRスペクトル / 半導体物性 |
Research Abstract |
金属ナノ粒子やナノロッドに種々のスピン分極ドナーを吸着させ、金属の伝導電子とその表面に吸着した有機ラジカル分子の局在スビンとの磁気的・電子的相互作用を検討することは有機・無機複合材料の新たな展開へ向けて基礎的データを与える。本研究では一電子授受に対して高スピン分子種を生じるスピン分極ドナー・アクセプターの開発を行い、これらが配位子として吸着した金ナノ粒子の合成と物性測定を行うことを目的として研究を行った。 これまで、スピン分極ドナーであるニトロニルニトロキシド(NN)が吸着した金ナノ粒子4nm(NN@Au)はテトラオクチルアンモニウムプロミドが吸着した金ナノ粒子からの配位子交換により調製してきた。しかし、この方法で得られるNN@Auは配位子交換前のナノ粒子の粒径に依存し、各サイズ領域のナノ粒子の調製は困難である。本研究ではNN@Auの新規調製法および、得られたナノ粒子の磁気的相互作用について検討した。還元剤としてK-セレクトライドを用いた調製法により2nm前後のNN@Auを、ジメチルジステアリルアンモニウムプロミドが吸着した金ナノ粒子(DMDSAB@Au)からの配位子交換により約7nmのNN@Auの調製に成功した。これらの方法によって得られたそれぞれのナノ粒子におけるESRスペクトル測定ではブロードなシグナルが観測された。7nmのNN@Auのブロードなシグナルの線幅は91.5mTで先に得られた4nmのNN@Au(36〜61.2mT)よりも広い線幅であった。このことから、金ナノ粒子の粒径が大きい程、局在スピンとの相互作用が大きく生じる傾向にあるという知見を得た。
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Research Products
(7 results)