2004 Fiscal Year Annual Research Report
ドナー-アクセプタ-型分極分子に基づく単一成分導体および特異な導電体の開発
Project/Area Number |
15073212
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 敬郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90116872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 純一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (70334521)
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Keywords | 有機半導体 / 有機FET / ドナー-アクセプター型化合物 / 分子性結晶 / 有機酸化還元系 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
本研究ではドナー-アクセプター型のヘテロ環化合物を用いた革新的な分子設計により高いキャリア移動度の有機半導体を開発し、高性能の電界効果トランジスタ(FET)の実現を目指した。また、分子構造とFET特性の関係を明らかにし、新規なFETの活性層として機能する有機半導体の分子設計の指針を提案した。 1)p-型半導体の開発 0.2cm^2/Vsの移動度を示したπ拡張型TTF類縁体BTQBTの置換体を活性層とするFETは移動度10^<-4>cm^2/Vs(on/off 10^4)のp-型特性を示した。また、ジベンゾTTF(DBTTF)が高性能(2x10^<-2>cm^2/Vs, on/off 10^5)を示すことを見つけ、これらの結果からTTF系で良好なFET特性を得るには分子間相互作用と適度なドナー性が必要であることを明らかにした。さらに、電子欠乏性のキノキサリンを縮合したTTF誘導体が0.1cm^2/Vsの高い移動度と酸素に対する安定性を示すことを見つけ、単結晶構造解析などから構造のFET特性に及ぼす効果を示した。 2)n-型半導体の開発 トリフルオロメチルフェニル置換体に基づくFETは高い効率のn-型特性を示すことを見つけた。例えば、アントラセン誘導体にこの置換基を導入するとチエニル置換体ではp-型FETを示した物がn-型に変わった。これはアントラセン誘導体としては初めてのn-型FET(3x10^<-3>cm^2/Vs,on/off 10^4)である。この結果は末端置換基でFET特性を制御できることを示している。平面構造のヘテロ環をコアの電子系とすることで、移動度が向上し、ビチオフェンで0.18、さらにチアゾロチアゾール骨格を導入することで0.3cm^2/Vs(on/off 10^6)のn-型FETを作成出来た。
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